建築は愛である,なんて書くと頭がおかしいと思われるだろうか.
でもそう思う.産みの親が,我が子が可愛くなかったら誰が可愛がってくれるんだろう.

今日大学では課題の中間提出があった.課題は住宅.GWの最後(しかも今日はまだ祝日)にわざわざ提出をぶつけなくても,と思わなくもないけれどそれはそれ.きっとみんなGWは返上で,前日は徹夜かそれに近い状態だったんだろうと思う.

完成度なんて求めてないし,中間だからまだまだ挽回もできる.プレゼンも未熟だし,自信も確信も持てないのも仕方がない.でも自分の作品をおとしめることだけはだめだ.作品がかわいそうじゃないか.

僕が学生との講評で唯一熱くなる瞬間があったとしたら,図面の未熟さではなく,模型の稚拙さでもなく,愛情のなさだ.世界を敵に回しても,本心ではどこか気に入っていないところがあったとしても,自分の作品は全力で肯定して欲しい.この案は素晴らしいんだと言い切って欲しい.ダメなところが9割でも,残り1割の良さを必死にアピールして欲しいと思う.

僕は自分の担当する学生達が大好きだ.彼らの良さを理解してあげたいといつも思う.今日は中間だし,9割のダメには目をつぶっても1割は全力で褒めてあげようと思っていたのだけれど,あまりに「自分の作品はダメです」とネガティブアピールする学生が多すぎて,正直心が折れてしまった.

みんな自分の作品が可愛くないの?愛情がないのなら,愛情を注げる案に今からでも変更したほうがいい.誰からも愛されず,望まれないまま世の中に産み落とされる建築なんて,たとえそれが課題であったとしてもあまりに悲しすぎる.

13. 04 / 30

原石

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sekimoto

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> 大学
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エスキースは合気道。かけてくる技が大きければ大きく返せる。小さければ小さくなる。その人の実力を引き出すことはできても、超えることはできない。

すべてはダイヤの原石。磨けば光る。磨き方は丁寧に教えるけれど、それを磨いてあげることはできない。ほとんどの人は、そこそこ光ったところで磨くのをやめてしまう。でもそんなのはね、まだダイヤとは呼べないんだよ。

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sekimoto

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> 仕事
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今週は『しだれ桜の家』の施主検査/設計検査があり、来週末が引渡し。つまり提出。大学4年生の卒業設計も来週末が最終提出らしい。奇しくもふたつの進行は完全にシンクロしているようだ。

昨日の監督さんも相当疲れが溜まっているようだったけれど、まだまだ終わらない。一見するとほぼ完成のように見えて、実は本当のクオリティを伴った完成とはまだまだ先にあるものなのだ。

見た目8割の完成はまだまだ全体の2割でしかない。残り2割の完成を達成するためには、まだ8割の労力と時間を費やすという事実を忘れてはいけない。これは現場でも、また大学でも繰り返し言い続けてきたこと。ここからが本当の勝負である。

12. 11 / 28

エスキース

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sekimoto

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> 大学
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今日は大学は休講日.ということで大学には行かなくていい日なんですが,関本クラスに休みはありません.実際我々の組は今年は年内に課題を提出しなくてはならず,うかうかしていると間に合わなくなる恐れも.エスキース指導を受けたい学生を募ったら4名ほどいたので,今日は朝から事務所でエスキース.

休講日なのに事務所まで足を運んだ学生はエライ!ということで特別サービス.彼らにはエスキース指導に加え,我が自邸OPENFLATの見学と,ついでに私の学生時代の課題まで見せてあげました.自邸は普段は見せられる状態にない?ので,今日見学できた学生はラッキーだと思います.

今週末には1件のオープンハウスもあり,そちらにもクラスの学生達に声をかけています.1年生ということもあり,彼らが最も苦労しているのはスケール感.まったく手が付けられずに困っている学生もたくさんいます.スケール感を養うには,実際の建築を見るのが一番!ということで,今週末も足を運んだエライ学生がいたとすれば,ご褒美の代わりにきっと得るモノは大きいだろうと思います.

皆さん,今日はお疲れさまでした!

12. 11 / 08

暴挙



昨日も非常勤講師を勤める日本大学船橋校舎へ赴き,昼食後天気が良かったのでおもむろにキャンパス内の図書館の方へ散歩していたら,そこには信じられない光景が.水盤の中に建つ図書館の外堀の水が抜かれ,全面デッキ張りとなっていたのでした.

え??いつから!?

思えば今から20ウン年前,日大に入学して初めて目にしたのがこの図書館でした.重厚でありながら美しく,水盤の中に建つ図書館という姿が,建築を志して入学した我々の心をわしづかみにしました.それが今ではこの有様.塞がれたウッドデッキも活用されているでもなく,その寒々しい姿は痛々しくもあります.

私と同じように志を抱いて入学してきた建築学生達は,この姿を見てどう思うのでしょうか.水盤の図書館は,今では板張りの図書館と呼ばれているのかもしれません.

もちろん防水や衛生,安全上の問題など維持管理上の問題があったことは想像に難くありませんが,一般の民間企業ならともかく,大学という文化を育む機関が下した措置としては”暴挙”と呼ぶほかありません.また同じキャンパス内に建築学科がありながら,このような暴挙を許してしまったこと,私も足を運ぶまで知らなかったという無知も含めて,今このキャンパスで学ぶ学生と,図書館を設計された小林美夫先生にも本当に申し訳ない気持ちになりました.

自分が設計者だったら…,と想像するだけで悲しくなります.

[caption id="attachment_6216" align="alignnone" width="540" caption="まだ池に水が張られていた古き良き時代の図書館"][/caption]