15. 04 / 04

逃避行

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sekimoto

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先の予定が立てられないのは、この仕事の宿命かもしれない。現場は予定通り進んでくれた試しはないし、クライアントからは昼夜を問わずメールが来る。そして問題はいつでも起こるべくして起こるのだ。

事務所に勤めていた頃、現場が終わったら行こうと何ヶ月も前から計画していた北海道旅行が、直前になって現場の遅延で流れたことがあった。「行くの?」との所長の一言に、行きますとは言えなかった。

この春休みに沖縄に行こうと決めた。
私は所長だ。何が起こったって知るもんか。

14. 01 / 06

掘る男

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sekimoto

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新年あけましておめでとうございます.
今日が仕事始めとなります.本年もどうか変わらぬお付き合いをお願い致します.

昨日宮古島から帰ってきました.昨年のお正月は石垣島に行ったので,二年続けての沖縄旅行です.寒いときに暖かいところに行くというのは,とにかく穏やかに開放的な気分になれます.避暑ならぬ避寒といったところでしょうか.

この時期の宮古島は雨期というか,とにかく晴れることがとても少ない時期です.空はどんよりと,それでも気温は20度くらいあるので寒くはありません.さすがに泳げるような気候ではないので,小さい島の中をドライブしたり,いくつかある海岸や展望台のような場所を巡るような滞在でした.

ちょっと気の毒だったのは子どもで,我々に車で連れ回されながら終始つまらなそうにしています.移動中も景色を眺めるわけでもなく,ずっと手持ちのゲームに没頭しています.土をこねるのは好きだろうと思って,陶芸体験のようなところにも連れて行ったのですが,なんとなくふてくされています.でも正面切ってつまらないと言うでもなく,とにかく無気力なのです.

昔は家族旅行というと,子どもに手がかかって仕方がないものでした.お店では走り回るし,ベッドでは飛び跳ねていたものです.それが今では大人しくホテルでもお店でもゲームばかりしている.ああ,なんだか限界だなあ.子どもにとって,もはや家族旅行は特別楽しいものではないという時期に差しかかってきているのかもしれません.寂しいことですが.

最終日を残した晩,食事をしながら子どもに「明日は何をしたい?」と訊いてみました.その時は「べつに」と答えていましたが,夜寝る前になって,急に思い出したように「明日は海で遊びたい」とはじめて自分の希望を伝えてきました.

それならと次の日はひたすら海で遊ばせることに.とはいっても,海岸には誰もいないし,泳ぐこともできない.そんなところでうちの子は何をしていたかというと,ひたすらに砂を掘っていました.砂を掘って,何かを作っては次の瞬間には壊して,を繰り返しているのでした.あちこちで,もう飽きずに何時間も.

思えばうちの子が外で何時間も遊んでいること自体,久しぶりのような気がします.昔は喜んでついてきたサッカーも,最近では誘っても乗ってきません.そんな風になって久しいのです.それが自然の中で何時間も実に楽しそうに遊んでいる.

そして急に無邪気な声をかけられました.「ねえお父さん,一緒に山つくろう!」
子どもと一緒に砂遊びをするなんて,それこそ何年ぶりでしょうか.なんだか遠い昔に引き戻されたような気分です.

そうか.自然は自由だから楽しいんですね.大人はどうしても型にはまった遊びをしようとします.海ならシュノーケリング,眺めを見るならあの岬,夜はあのお店で,という具合に.子どもにとっては,陶芸教室のお決まりのお題より,何もない砂浜の方が100倍も楽しく創造力をかきたてられる場所なのかもしれません.

かくして,大人にとっては退屈だった何もしない数時間は,子どもにとってはこの旅行で最高に楽しかったひとときとなったのでした.

うちの子は今10歳で4年生です.ちょっと大人びたところのある子どもです.この調子だと親離れは思いのほか早く来るかもしれません.中学生になったら,もう親と一緒にはお正月も過ごさなくなるかもしれません.

お正月の家族旅行も,もしかしたらあと行けても2回くらい?そう考えると愕然とします.子どもの成長を見守りながら,親は少しずつ”その時”が来る覚悟をしないといけないのかもしれませんね.

まあとりあえず,来年はどこ行こうか?
そう考えてこの一年を過ごすこととします.

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美しすぎて泣ける。

最終日、我々は旅程をすべて犠牲にして豊島に再度渡ることにしました。前の日に見れなかった豊島美術館がどうしても見たかったからです。この日豊島に来ると、どこをどうやりくりしても帰れなくなることもわかっていました。次の船を待てばフライトに間に合わないのです。

どうするか。大人はこういうとき手段のために目的を諦めることをしません。船をチャーターしました。大人でよかった。船着場がちょっとどよめいていましたがなにか。

さようなら豊島。
さようなら瀬戸内。



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この日は以前からずっと行ってみたかった2つの建築、犬島の精練所美術館と豊島の豊島美術館へ。この日の人出は今年最高!もう、どこに行ってもものすごい人が朝から行列をつくっていました。船を乗り継ぎ、まずは犬島の精練所美術館へ。

とっても良かった!精練所の遺構や三分一さんの建築、アートがすべて一体となっていました。その迫力、丁寧なディテールワーク、どれをとっても見所が詰まっていました。なにより島全体がのどかでとても気持ちが良かった!その後の妹島さんによる家プロジェクトも楽しく、昨日は不機嫌だった息子も今日は終始ご機嫌でした。

次に豊島に渡り、これこそが今回の目的ともいえる豊島美術館へ。ところが!なんと混雑のため整理券が午前中で終了してしまい、目の前まで行ったのに結局中に入れないという…。こんなのありですか!?

しかも、周回バスもどれも満席で、来たバスには乗れないという。しかも1時間に1本くらいしかないので、仕方なく5キロくらいある港への道のりを歩いて戻ることに。はあ、もう本当に疲れた…。

ただこの日は最後に直島で親戚の方にお会いし、直島を案内して頂くことができました。この方はイベントスタッフでもあり、また島でもちょっとした有名人?のようで、この方と行くとどこでも顔パスで通してくれます。あまり書けませんが、安藤さん関連の施設など普段は入れないところを、ずんずんと案内して頂いちゃいました。どうもありがとうございました!






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この秋の連休を利用して,瀬戸内芸術祭にてアートを巡る旅にやってきました。

直島は祖父の故郷であり、関本家にとってルーツともいえる島です。当時はその名を口にしても誰も知りませんでしたが、今では「現代美術の聖地」と呼ばれているようです。誇らしくもあり、こそばゆい気もします。私がこんな仕事をしているというのも、何かのご縁かもしれません。

過去にも何度か来ていますが、今回は関本家ご先祖様のお墓に是非お参りしたいと思っていました。島に残る親戚にも連絡を取り、宮浦港にほど近い場所にある墓苑を教えて頂きました。

これだ!そのお墓は周囲に幾つかある関本姓を含めたお墓の中でも最も大きく立派なお墓でした。ご先祖様の偉業に思いを馳せ、静かにこうべを垂れたのでした。

この日は安藤忠雄さんの設計した美術館を中心にまわりました。中でも今回初めて訪れた地中美術館には本当に感動しました。これは世界にも類のない美術館ではないでしょうか。その空間体験はもう圧巻というほかありません。(ちなみに地中美術館は、撮影禁止のため写真は一枚もありません)

もちろん他の美術館も素晴らしかったですよ。直島の安藤さんの建築はどれもずば抜けていると思います。よほど直島の環境と相性が良いのですね(正直ほかに建つ安藤さんの建築は当たり外れがあります)。直島を見ずして安藤さんの建築は語れません。是非足を運んでみて下さい!

番外では、美術館が大好きな私と奥さんは良いとして、息子はほとほと嫌気がさした模様…。まあまあ、もうちょっと付き合ってくれよ。