
寒い日が続きますね。低温注意報なんて、これまでそうそう聞かなかった言葉です。冬らしい冬というのも久しぶりですね。
さて、こんなに寒いとそこそこ断熱性能の高い家に住んでいても、どうしても住宅の中の温度ムラは出やすくなります。家中どこでも一定の温度という住宅は、それなりにコストをかけて、相当意識的に設計をしないと難しいのです。
我が家では陽当たりの良いリビングは日中は暖房いらず。ポカポカとまるで天国です。一方の廊下や陽の差さない洗面・脱衣室などは最も寒い部屋となり、ここ数日は朝には10度くらいにはなります(もっとも、これでも断熱少なめの昔の住宅よりはマシでしょうが)。
うちのクライアントからは、基本的には温かいのだけれど、2階にリビングを設けると1階が相対的に寒くなりますので、「1階が寒い」との声もよく頂くことになります。
ということで、既に建ててしまった家でも、一工夫することで家中の末端まで苦痛のない温度まで上げられる方法はないかと、ここ1週間ほど様々な方法を試して自邸で実験していました。今日はその結果をご報告したいと思います。
◇
まず冒頭に書きましたように、我が家は一番奥の洗面所で朝は10度くらいまで下がります。別に耐えられない寒さではありませんが、寒いっちゃ寒い。この温度をベースアップするためには当然追加の熱源が必要です。といっても、あらたに暖房器具を買うことなく、今家の中にあるものを使いたいと思います。
我が家の場合はこちらです。


「太陽光」と「エアコン」
だいたいどの家庭にもありますよね。
まずは太陽光の利用。
太陽光はタダです。素晴らしいですね。こんな熱源は太陽しかありません。我が家は道路側にかなり大きなガラス面があるので、リビングに関して言うと前述のようにとっても温かいです。どのくらい温かいかというと、

これは低温注意報が出ていた今週の某日、午前10時くらいの温度です。
上が室温、下が外の気温です。室内はこの時点では無暖房。太陽が出たら最強な部屋になります。(ちなみによく心配されますが、夏もそんなに暑くないですよ。遮熱ガラスを使っていることもありますが、我が家の7不思議の一つです)
この熱の塊をどう使うか。簡単です。引戸を開けておけば良い笑。熱は水と同じで、温度が高い方から低い方に向かって流れます。

その際に、扉が天井いっぱいまであると天井付近にたまった熱が移動しやすくなります。こうしたのは意図的かって?(あ、あたりまえじゃないですか…)
でもこれだけで家中温かくなるほど甘くはないんですね。我が家の場合、ガラス面積の大きい廊下がありますので、残念ながらここでかなり空気が冷やされてしまいます。そこで廊下の向こう側にも追加熱源が必要になってきます。
そこで出てくるのがエアコンです。
ここでは主寝室のエアコンを使います。温度設定は消費電力を抑えるために仮にこのくらいに設定。

ところで、いまだにエアコンを使うことに罪悪感を感じる人がいます。
そういう方に限って電気カーペットなどをガンガンに使っておられる。おそらくエアコンは家中のどの家電製品よりも群を抜いて省エネだしエコな設備です。
発電所から送られてくる電気の2/3程度は送電ロスによって失われますが、エアコンはヒートポンプの働きでその熱効率を各家庭で3倍くらいに増やしてくれるのです。(誤解のない表現が難しいですが、ざっくり言うとそういうことです)
そしてその使い方ですが、よく電力会社のCMなどで流れる「電気はこまめに消しましょう」という意識があるのだと思いますが、エアコンも寒いと付けて、部屋を出るときや温かくなったらすぐ消してを繰り返す方が多いと思います。ただ、おそらくこれは意外と電気を食います。
エアコンは立上がりにすごく電気を使いますので、設定温度を低くして、なるべく長時間付けておくのが一番効率の良い使い方です。
◇
さて、まだここで終わりではありません。このままだと、部屋からの熱の出口(扉)が小さいので、部屋の末端まで暖かい空気を届けるのがやはり難しくなります。ここで使うのがこちらです。

サーキュレータです。扇風機でもいいです。
これをどこに置くか。正直この調整に苦労しました。空気って正直なんですが、ちょっと気まぐれで、なかなか人間が考えたとおりに動いてくれません。まるで猫のようです。
結論から言うと、我が家の場合、サーキュレータを子ども室方向に向かって吹くことで、廊下をまわってぐるりと空気の循環の流れができることがわかりました。この辺は想像力を豊かにする必要があります。
また温かい空気は天井付近に溜まりますので、サーキュレータの角度も重要になります。私の場合、よくわからなくなってしまったので、上下の首振り運転にしました。
まとめるとこんな感じです。

この効果はてきめんで、室温が10度だった洗面所もエアコンとサーキュレーターを併用することで、約1時間半後には15度くらいまで上がりました。これまでどんなにやっても寒かった洗面所や浴室の温度環境が劇的に改善されました。

廊下も朝は10度くらいだったのですが、やはりこのくらい(下の写真)になります。床は以前は氷のように冷たかったのですが、かろうじて素足で歩けるようになりました。

ここで重要なのは、自分の快適温度は何度くらいなのかを知るということです。家族が長時間滞在するリビングは、寒がりの私は20度でも少し寒く感じ、22度まで上がるとちょうど良いと感じます。これは個人差があると思いますが。
ただ一時的に滞在して顔を洗ったり、洗濯をしたりする空間を常に20度に保つことには個人的には意味がないように思います。ただ私の場合、そんな部屋でも10度だと苦痛を感じ、15度だとストレスがないこともわかってきました。
そのためには温度計を各部屋に置くなどして、現在の室温が何度くらいなのかというのをこまめにチェックすると良いと思います。特に設計者は、感覚を定量化する(数字に置き換える)ということが、性能と感覚を近づける近道なのだなと最近つくづく感じることです。
◇
まとめですが、この実験で検証したかったことは、そこまでの高断熱住宅ではなくても住宅のポテンシャルを引き出す方法はいろいろありますよということ。そしてその工夫を生活しながら考えることは結構楽しいことですよということです。(まるで小学生が夏休みの自由研究をしているかのようです笑)
冒頭に書いた、2階が温かくて1階が寒いという方は、2階のエアコンをガンガン付けるのではなく、1階のエアコンをつけて下から上に向かって温めてゆくイメージを持つと良いと思います。もちろんサーキュレータも必須アイテムですね。
また熱源としてのエアコンはもう少し見直されるべきかもしれません。寒い部屋に一つずつ電気式の小型ヒーターを置いている家庭も多いと思いますが、局所暖房ではなく全体で考えた方が良いですし、省エネにもつながると思います。(ただし、ベースとして一定以上の断熱がされている住宅であるということが前提ですが)
でもその上で、別に寒くても構わないという方(寒さに耐性の高い方)はもちろん無暖房で良いのではないでしょうか。エアコンがいくら省エネだと言っても、付けない方が省エネになることは間違いありませんから笑
でもそうやって我慢して暮らすのは私は嫌だなと思うので、今ある住宅のポテンシャルを引出しながら、最小限のエネルギーで冬を乗り越える方法を考えたいと思います。皆さんも各家庭で工夫してみて下さい!

「さつきの家」のオープンハウスを昨日開催し、無事終了しました。遠方にもかかわらず、多くの方に足をお運び頂きました。ご来場下さった皆様に、この場をお借りして御礼申し上げます。
この住宅は建て主の育った家の建て替え計画で、ゆったりとした広い敷地全体を活用する配置計画からはじまり、予算計画、法的な整理に時間がかかりました。そしてなにより既存の環境と建て主やそのご両親の記憶や歴史をどのように留め、継承するかというテーマも大きなものでした。

道路からのファサードは、片流れ屋根を組み合わせたリオタデザイン鉄板のデザインアプローチでまとめています。
外装はガルバリウム鋼板の立はぜ葺き。サステイナブルに建物を次代へつなぐ性能を担保した上で、色も周囲の環境から浮き上がることなく馴染むよう、注意深く選びました。


先にブログでもご紹介した、製作による手作りカーポートと、地面から浮かせた軽やかな妻壁をくぐるようにして玄関にアプローチします。
建物は庭側から見ると「コの字」型の開放的な表情で、軒を深く出し雨から躯体を守った上で、庭に開放的にひらいた作りがその特徴です。


内部のリビングは、基準の床面より40cmほど下げています。これは庭との関係を考え、より直接的に空間と庭とをつなげたいと考えたことと、重心を低く、リビングに落ち着きを持たせたいと思ったことがありました。
一方のダイニングは天井を低く抑え、窓先からはシンボルであるサツキツツジを眺めることができます。

リビングから家具で仕切られた畳コーナー。子供たちがここで遊んだり、勉強したり、はたまた昼寝をしたりというシーンをいろいろ想像しながら作りました。仕切りとなる家具の高さにも工夫を凝らしています。
ここでどんな振る舞いをするかはもちろん家族に委ねられるものですが、ただ「自由にやってください」と突き放すのではなく、家族の居場所を丁寧に作ってゆくことが大切です。それが住宅を設計するということではないかと思いますので。

住宅を貫く15mの廊下。家族の営みを一本の串で串刺しにしたようなこの眺めが、この家を象徴しています。


玄関には既存住宅の欄間を再利用してはめ込んだハイサイド窓と、大きな地窓いっぱいに切り取ったサツキツツジが家族を出迎えます。夜になると、その欄間からの灯りも外にこぼれます。

こちらはトイレの引戸のガラス。ある年代以上の方には懐かしいと思える型ガラスですね。もう新しい住宅には使われませんので、お子さんにはとても珍しいガラスに映るかもしれません。
こういう演出にはデザイン的な意味はなく、理屈を越えて家族の心の”ひだ”と結びつく部分であると考えています。いわば遺伝子のようなものでしょうか。
我が子に自分のアイデンティティの欠片を見いだして愛おしく感じるように、この現代的な住宅が宇宙船のように突如として舞い降りたものではなく、自分たちの記憶や人生の延長線上に継承されたものであるということを、建て主に感じてもらいたいという思いがあります。こういうものの集積が、その家を世界に一つだけのその人だけの家にしてゆくのだと思います。

このお庭もそうです。既存の住宅のいくつかの樹を大切に移植して利用しています。切って新しいものを植えた方がよっぽど楽でしたが、造園家の湊さんにも意気に感じて頂き最大のご協力を下さいました。湊さん、ありがとうございました!
◇
建て主さんは当初設計の相談にいらしたとき、自分たちが設計事務所(建築家)などに設計を頼むなどおこがましいのではないか、という控えめのご発言をされていたのを覚えています。現実的にも、もっと安く早く建てる方法はいくらでもあったはずですが、最後まで悩んで我々との家づくりを選んで下さいました。
時間も手間もかかりましたが、建て主さんの思いには正面から100%お応えできたのではないかと思います。最後に心から喜んで下さり、また何よりご両親がこの敷地が活かされたことに本当に喜んで下さったと聞いた時には、胸が熱くなりました。
社会に対して、住宅を作る以上の素晴らしい”何か”を成し遂げたのではないかと束の間でも思えることは、我々にとって忍耐強く仕事を遂行する上で大きなモチベーションとなります。”仕事以上の何か”をしていると感じることが、我々にとって「建築」という行為なのだとあらためて思います。




見学には過去のOBクライアントさんをはじめ、現在進行中の方、また同業の建築家や工務店、メーカーの方など、みなさんに熱心に見て頂きました。遠方だったこともあり、適度な参加者数で理想的な見学会でもありました。
ちなみに、この住宅の温熱性能はUA値で0.62(W/m2K)となっています。2020年の義務化基準である0.87よりもはるかに高性能な数字が出ていますが、ただ欲を言うともう少し工夫できた点もあり、我々としては今後更なる設計の改善を考えたいとも思っています。デザインと性能との両立は、リオタデザインの今年の大きな設計テーマの一つです。

最後に建て主のOさん。
最後まで家づくりを楽しまれている様子が伝わってきて、またその誠実なお人柄にいつも助けられていました。いろいろありましたが、楽しかったですね!最後までお気遣いを頂きありがとうございます。今後とも、末永いお付き合いをよろしくお願い致します。

建築情報サイトのプラナビさんに「プロが認めた匠の技」というコーナーがあります。
建築家がお世話になっているスゴ腕の”匠”を紹介し、編集部がその職人さんを取材するというなかなか良い企画なのですが、こちらの最新号に私もいつも植栽でお世話になっている耕水の湊さんが登場しています。
プラナビ|プロが認めた匠の技
耕水 湊眞人さん
https://www.pla-navi.com/clip/professional/takumi22_kousui.php
紹介者は佐藤・布施建築事務所さんですが、主宰者の一人である布施さんは私の大学時代からの親友でもあります。実のところ、湊さんを紹介してもらったのは、10数年前にこの布施さんからだったのでした。
先日オープンハウスを告知した行田の「さつきの家」でも、この湊さんに大いに腕を振るって頂いていますので、いらっしゃる方はどうか外構もよくご覧頂けたらと思います。
◇
ところで、このプラナビさんには私も過去に板金職人の新井勇司さんをご紹介させて頂きました。
新井板金 新井勇司さん
https://www.pla-navi.com/clip/professional/takumi21_arai.php
新井さんには現在現場が進行中の住宅「TR」でも腕を振るって頂いているのですが、サイトの影響かどうかはわかりませんが、すっかり人気の職人になってしまったようで、なかなか現場に入れないなどの弊害も出始めました。
もっとも新井さんも人からの紹介だったわけですが。なんでも開けっぴろげに情報を公開する私ですが、最近は秘蔵の”虎の子”は少しずつ隠してゆこうかなと思っている今日このごろです。笑
◇
ただこうして他の建築家も賞賛するような素晴らしい職人さんと日々お仕事ができるという喜びや幸せも、あらためて噛みしめるところです。こちらも本気でやっているのだから、現場にも本気の仕事で応えて欲しい!というのが私の偽らざる本音ですので。
我々が当たり前のような顔をしてご提供しているものは、世間的にはけして当たり前のことじゃないんですよ。
18. 01 / 05
2年待ちではありません!?
author
sekimoto
category
> 仕事
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同業の建築家の仲間が集まる会合などに出向くと、よく「関本さんに頼むと2年待ちなんでしょ?」と声をかけられます。え?全然!そんなに待たせませんよ、とその度に言うのですが、別の人に会っても必ずそういったことを言われるので、いつも火消しに躍起になっています。
これが同業だけならまだしも、新規のクライアントさんからもよく「2年待ちなんですよね?」と訊かれます。面と向かって訊かれたら、その場で訂正できるのでまだ良いのですが、現在進行中のとあるクライアントさんも、当初うちに依頼しようと思ったのだけれど、「2年待ち」との噂を耳にして断念しかけたとおっしゃっていました汗。
その噂はどこから??
他にもうちに来る前に諦めちゃう人もいるのかと思うと、風評被害は甚大です…。
確かにずいぶん前のことですが、仕事が集中してアップアップしていたときに、”2年待ち”みたいなことを書いたかもしれません。誤解を招いたことを(またそれがずいぶん尾を引いていることも)反省し、ここで情報を訂正させてください!
◇
まず今設計をご依頼頂いた場合、一般的な規模の戸建て住宅の場合、設計から竣工までで最短で16ヶ月(1年と4ヶ月)くらいです。その後は設計の重なり具合にもよりますが、「平均するとだいたい1年半くらい」といったところです。
またそれらは、あくまで設計期間や工事期間も含めての時間ですので、設計開始まで延々と1年以上お待たせするということではありません。どうか誤解のないようにお願いします。おそらく、しっかりとした仕事をする(まっとうな?)設計事務所はどこもそのくらいかかるのではないでしょうか。
◇
ただ、うちも少ないスタッフでまわしていますので、業務が重なるとお待たせする時間が長くなる可能性は正直あります。どうかスケジュールには余裕を持ってご依頼頂ければと思います。クオリティを守るためには、住宅の場合、1ヶ月でも2ヶ月でも長めのスケジュールを確保頂くことが肝要です。突貫で良いことは一つもありませんので。
一方で時間をかける分だけ、本当に濃いお付き合いをどのクライアントさんともさせて頂いています。担当スタッフに任せきりにするようなことはありません。設計の打合せはすべて私が行い、細部に至るまで私が把握していないことはないように努めています。(だから時間がかかるのです…)
◇
また最後に、2019年10月には消費税が8%から10%に引き上げられます。この増税に間に合わせるためには、前述の設計から竣工まで1年半かかるということと併せますと、少なくとも夏前までに設計をご依頼頂けないと間に合わせることは難しくなると思います。
もっとも、消費税のために家を建てるわけではありませんので、あまりそんなことを気にしすぎない方が良いですが。でも、ぎりぎりに駆け込まれて「なんとかなりませんか?」ということが過去の増税時も多々ありましたので、あらかじめお伝えさせて頂きます。
ということで、どうか皆さま気兼ねなくご相談下さい!
これが同業だけならまだしも、新規のクライアントさんからもよく「2年待ちなんですよね?」と訊かれます。面と向かって訊かれたら、その場で訂正できるのでまだ良いのですが、現在進行中のとあるクライアントさんも、当初うちに依頼しようと思ったのだけれど、「2年待ち」との噂を耳にして断念しかけたとおっしゃっていました汗。
その噂はどこから??
他にもうちに来る前に諦めちゃう人もいるのかと思うと、風評被害は甚大です…。
確かにずいぶん前のことですが、仕事が集中してアップアップしていたときに、”2年待ち”みたいなことを書いたかもしれません。誤解を招いたことを(またそれがずいぶん尾を引いていることも)反省し、ここで情報を訂正させてください!
◇
まず今設計をご依頼頂いた場合、一般的な規模の戸建て住宅の場合、設計から竣工までで最短で16ヶ月(1年と4ヶ月)くらいです。その後は設計の重なり具合にもよりますが、「平均するとだいたい1年半くらい」といったところです。
またそれらは、あくまで設計期間や工事期間も含めての時間ですので、設計開始まで延々と1年以上お待たせするということではありません。どうか誤解のないようにお願いします。おそらく、しっかりとした仕事をする(まっとうな?)設計事務所はどこもそのくらいかかるのではないでしょうか。
◇
ただ、うちも少ないスタッフでまわしていますので、業務が重なるとお待たせする時間が長くなる可能性は正直あります。どうかスケジュールには余裕を持ってご依頼頂ければと思います。クオリティを守るためには、住宅の場合、1ヶ月でも2ヶ月でも長めのスケジュールを確保頂くことが肝要です。突貫で良いことは一つもありませんので。
一方で時間をかける分だけ、本当に濃いお付き合いをどのクライアントさんともさせて頂いています。担当スタッフに任せきりにするようなことはありません。設計の打合せはすべて私が行い、細部に至るまで私が把握していないことはないように努めています。(だから時間がかかるのです…)
◇
また最後に、2019年10月には消費税が8%から10%に引き上げられます。この増税に間に合わせるためには、前述の設計から竣工まで1年半かかるということと併せますと、少なくとも夏前までに設計をご依頼頂けないと間に合わせることは難しくなると思います。
もっとも、消費税のために家を建てるわけではありませんので、あまりそんなことを気にしすぎない方が良いですが。でも、ぎりぎりに駆け込まれて「なんとかなりませんか?」ということが過去の増税時も多々ありましたので、あらかじめお伝えさせて頂きます。
ということで、どうか皆さま気兼ねなくご相談下さい!

新年あけましておめでとうございます。
昨年の暮れは、多くの方より「良い年でしたね」というお言葉をかけて頂きました。確かに昨年は念願の著書を出すことができ、多くの住宅も竣工しました。またご依頼を頂き、多くのセミナー等にも登壇をさせて頂きました。
出版社とのつながり、建築家・伊礼さんとのつながり、OZONEさんやアールト、北欧のつながり、これまでの細く長かったいろんなつながりが、いろんなきっかけで一気に束のようになってつながった、昨年はそんな一年だったように思います。本当に幸せな一年でした。
独立してからもう15年を数えますが、筋を違えず、ずっと一本の道を歩んできました。一本の幹からは様々な枝が伸びて、その先に葉や果実をつけるようになってきたことを実感しています。リオタデザインを卒業したスタッフも、多方面で活躍しているようです。
石の上にも3年と言いますが、3年などという時間は、まるでバスを降りて登山口に立つまでの時間のようなものだとあらためて思います。まだ10年早いという言葉もありますが、10年という時間もまた、振り返れば苗から育ててようやく蕾を付けるまでのような、そんな時間に過ぎないかもしれません。
少なからずの住宅を設計し、多少は経験を積み、知恵が備わり、気力満ち、そして優秀なスタッフが集いました。リオタデザインは今最も充実した仕事を成し遂げようとするその帳にあります。この戦力とモチベーションで、今年はこれまでで最も優れた仕事を残したい。今年一年の様々な方との出会いや、出来事が今からとても楽しみです。
皆さま、本年もどうかよろしくお願い致します。
2018年1月1日
関本竜太|リオタデザイン
