去年の暮れから設計で関わってきた,上板橋にあるわずか4.5坪の小さなカフェがまもなくオープンします!といっても現場はまだまだ調整中.今日はオーナーさんも立ち会いのもとチェックをしましたが,設計者と同じくらいマニアックな?エークラフトの伊藤さんらしい施工のこだわりが随所にあって,なかなか素晴らしい仕上がりになっています.
我々のようなシンプルなデザインテイストであればあるほど,細かいディテールの完成度は見栄えにも直結することになります.また経験上,カフェはそこに入れてくる家具や小物類にも空間が大きく支配されるため,来週以降の開店準備のプロセスでも,お店は大きな変貌を遂げてゆくことと思います.
お店の名前のcrann(クラン)というのは,アイルランドの言葉(ゲール語)で「木」という意味だそうです.アイルランドは北欧ではありませんが,北欧と同じような木の文化であり,また世界一の紅茶の消費国であるアイルランドの紅茶文化を伝える紅茶カフェとしてオープンする予定です.
一応オープンは3月2日(金).実は一週間後です汗.
最初はお昼からの試験営業をされてゆくそうですが,ゆくゆくは朝8時から夜8時くらいまでのロング営業にしていきたいとのこと.この周辺は単身者も多く,また駅にも近いことから,通勤通学の途中に寄り道をするのに最適なカフェになるかもしれませんね.またもう少し詳細がわかったら,この場所でも告知したいと思います.
カフェ・crann
場所:板橋区上板橋2-37-8
オープンは,3月2日(金)正午~を予定
店舗設計:リオタデザイン 関本竜太+三浦美紗子
施工:エークラフト 伊藤英一郎
皆様どうかご贔屓に!
[caption id="attachment_3863" align="alignnone" width="560" caption="crann模型 S=1/50"][/caption]
今日は事務所OBの柴くんが事務所に顔を出してくれました.
彼が辞めてからあったあれやこれやの報告や,彼の近況などを聞き,またスタッフみんなで居酒屋に移動しての話も大いに盛りあがりました.
かつて一緒に仕事を共にしたスタッフとの再会というのは,いつも楽しく嬉しいものです.当時の思い出話にも花が咲き,今でもあの頃にすっと戻ってしまいます.
いやあ,楽しかった.またいつでも寄って下さいね!
昨日建築専門誌の方が見えて,我々の現場監理における考え方について質問を受けた.これまで設計手法などについては聞かれることは多かったけれど,監理について聞かれたことはあまりなかったので,あらためてどういうことかと考えた.
現場監理というのは,設計者が設計通りに現場が施工されているかをチェック・確認するために行うものだ.一般の方には混同されやすいけれど,工務店の現場監督とは根本的に守備範囲や対象が異なる.いわば「監督の監督」的な役割を持つものでもある.
教科書通りに言えば,設計者は定期的に現場に足を運び,間違いや不具合を発見したり報告を受けたりして,正しい指示等を現場に与える人ということになる.
でもそれだけでは不十分だと思う.間違いが起こった時に元に戻せるならまだ良いけれど,中には元には戻せない場合や,修正することによってより怪我を広げてしまうようなケースも発生するからだ.
現場監理において最も大切なことは,そもそも間違いが起こらないようにすることだ.
「転ばぬ先の杖をつく人」それが本来の監理者の姿であって,もちろん結果的に不具合は指摘するけれど,けして現場のあら探しが第一義に立つものではないというのが我々の考えだ.
そのためにはしっかりと図面を描くこと.これしかない.それを作る人の身になって,親切に,とにかく細かく,具体的に作図する.スペックや寸法は漏れなく記載する.材料取りをイメージする.設備配管ルートを確保する.
図面を描きながら,現場で起こるあらゆる勘違いや発注ミス,見落としを想定に入れる.監督や職人によっては確認をしないまま自分の判断で施工をしてしまう人も多い.結局はそれを後で叱ってみても覆水は盆に還らないのだ.
すべては間違いが起こる前に,我々の配慮によってそれらを防いでゆくしかない.それをせずして現場で気まぐれな変更を繰り返したり,高圧的な態度を取る人も多いと聞く.結局そういう人は現場での信頼を勝ち取ることはできないだろう.
それでも間違いは起こる.でもその最後にすくい取れなかった一粒を拾う作業と,最初からこぼれるに任せてあとで回収するというのでは,根本的に仕事の取り組み方は異なる.
親が我が子を送り出す時は,交通事故に遭わぬよう,人にさらわれることのないよう,また人前に出ても恥をかくことのないよう躾を行うものだ.
現場監理も全く同じで,施主に引渡しても,街の中に建っていても恥ずかしくない,まっとうな建築になってもらいたい一心で,我々は設計・監理を行なっている.やはり,すべての基本はコミュニケーションだと思う.
現場監理というのは,設計者が設計通りに現場が施工されているかをチェック・確認するために行うものだ.一般の方には混同されやすいけれど,工務店の現場監督とは根本的に守備範囲や対象が異なる.いわば「監督の監督」的な役割を持つものでもある.
教科書通りに言えば,設計者は定期的に現場に足を運び,間違いや不具合を発見したり報告を受けたりして,正しい指示等を現場に与える人ということになる.
でもそれだけでは不十分だと思う.間違いが起こった時に元に戻せるならまだ良いけれど,中には元には戻せない場合や,修正することによってより怪我を広げてしまうようなケースも発生するからだ.
現場監理において最も大切なことは,そもそも間違いが起こらないようにすることだ.
「転ばぬ先の杖をつく人」それが本来の監理者の姿であって,もちろん結果的に不具合は指摘するけれど,けして現場のあら探しが第一義に立つものではないというのが我々の考えだ.
そのためにはしっかりと図面を描くこと.これしかない.それを作る人の身になって,親切に,とにかく細かく,具体的に作図する.スペックや寸法は漏れなく記載する.材料取りをイメージする.設備配管ルートを確保する.
図面を描きながら,現場で起こるあらゆる勘違いや発注ミス,見落としを想定に入れる.監督や職人によっては確認をしないまま自分の判断で施工をしてしまう人も多い.結局はそれを後で叱ってみても覆水は盆に還らないのだ.
すべては間違いが起こる前に,我々の配慮によってそれらを防いでゆくしかない.それをせずして現場で気まぐれな変更を繰り返したり,高圧的な態度を取る人も多いと聞く.結局そういう人は現場での信頼を勝ち取ることはできないだろう.
それでも間違いは起こる.でもその最後にすくい取れなかった一粒を拾う作業と,最初からこぼれるに任せてあとで回収するというのでは,根本的に仕事の取り組み方は異なる.
親が我が子を送り出す時は,交通事故に遭わぬよう,人にさらわれることのないよう,また人前に出ても恥をかくことのないよう躾を行うものだ.
現場監理も全く同じで,施主に引渡しても,街の中に建っていても恥ずかしくない,まっとうな建築になってもらいたい一心で,我々は設計・監理を行なっている.やはり,すべての基本はコミュニケーションだと思う.
[caption id="attachment_3697" align="alignnone" width="560" caption="FILTER S=1/50"][/caption]
来週木曜日より,新宿のOZONEにて『建築家と建てた理想の住まい100選』 展がはじまります.今年は我々も2010年竣工のFILTERを出展予定で,事務所では実務と平行して出展準備が着々と進められています.
このイベントの目玉はなんといっても「模型」.なぜかうちはスタッフの模型精度がやたらと高いということで,今回もその期待を裏切らぬよう,模型製作のエース三浦を投入し,気合いを入れて模型を製作しました.
「建築はコミュニケーション」というのは私の持論ですが,時として図面以上に雄弁にその空間の魅力を語るのが模型だったりします.なかなか一般の方は実際の空間を図面からリアルに想像できませんので,模型を作る際はどこまでその空間に身を置いて生活することをリアルに想像できるか,というのが鍵になるような気がします.
これは設計者側の問題でもあって,設計者がイメージできていないものを,お施主さんにイメージしろというのはどだい無理な話です.我々がそこに生活者が活き活きと生活している様子をありありと思い浮かべ,それをすくい取るように図面に描き写す,これが設計という作業なのだと思います.
それを3次元に置き換えたのが模型だとするならば,それもまたありありとその生活感が手に取るようにわかるものでなくてはなりません.とは言いつつも,普段の1/100スケールの模型ではそこまでの作り込みは無理ですし,毎回今回のように大きな模型を作るほどの時間的な余裕もありませんので,こうして年に一度くらいはイベントなどにかこつけて,我々ではこんなリアルな模型を作ってみたりします.
これは大変な作業ですが,作っている本人もかなり楽しそう.スタッフにとっても良いトレーニングになります.
こちら実物は来週よりはじまる以下のイベントの会場でご覧頂けます.会期も長いので,是非足をお運び頂き,顔を近づけて中を覗き込んでみてください!きっと,エッと思うようなディテールや,思わずニヤリとしてしまう部分を発見することでしょう.
◇
『建築家と建てた理想の住まい100選』 展
会期:2/16(木)~5/8(火) ※水曜休館
場所:リビングデザインセンターOZONE 6F特設会場
http://www.ozone.co.jp/event_seminar/event/detail/1258.html
◇
[caption id="attachment_3702" align="alignnone" width="560" caption="今回は特別に製作スタッフのクレジットも入れることに"][/caption]
来週木曜日より,新宿のOZONEにて『建築家と建てた理想の住まい100選』 展がはじまります.今年は我々も2010年竣工のFILTERを出展予定で,事務所では実務と平行して出展準備が着々と進められています.
このイベントの目玉はなんといっても「模型」.なぜかうちはスタッフの模型精度がやたらと高いということで,今回もその期待を裏切らぬよう,模型製作のエース三浦を投入し,気合いを入れて模型を製作しました.
「建築はコミュニケーション」というのは私の持論ですが,時として図面以上に雄弁にその空間の魅力を語るのが模型だったりします.なかなか一般の方は実際の空間を図面からリアルに想像できませんので,模型を作る際はどこまでその空間に身を置いて生活することをリアルに想像できるか,というのが鍵になるような気がします.
これは設計者側の問題でもあって,設計者がイメージできていないものを,お施主さんにイメージしろというのはどだい無理な話です.我々がそこに生活者が活き活きと生活している様子をありありと思い浮かべ,それをすくい取るように図面に描き写す,これが設計という作業なのだと思います.
それを3次元に置き換えたのが模型だとするならば,それもまたありありとその生活感が手に取るようにわかるものでなくてはなりません.とは言いつつも,普段の1/100スケールの模型ではそこまでの作り込みは無理ですし,毎回今回のように大きな模型を作るほどの時間的な余裕もありませんので,こうして年に一度くらいはイベントなどにかこつけて,我々ではこんなリアルな模型を作ってみたりします.
これは大変な作業ですが,作っている本人もかなり楽しそう.スタッフにとっても良いトレーニングになります.
こちら実物は来週よりはじまる以下のイベントの会場でご覧頂けます.会期も長いので,是非足をお運び頂き,顔を近づけて中を覗き込んでみてください!きっと,エッと思うようなディテールや,思わずニヤリとしてしまう部分を発見することでしょう.
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『建築家と建てた理想の住まい100選』 展
会期:2/16(木)~5/8(火) ※水曜休館
場所:リビングデザインセンターOZONE 6F特設会場
http://www.ozone.co.jp/event_seminar/event/detail/1258.html
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[caption id="attachment_3702" align="alignnone" width="560" caption="今回は特別に製作スタッフのクレジットも入れることに"][/caption]
週末に折込みチラシが入っていました.埼玉県内で業績を伸ばしている,とある設計事務所(といっても実際にはハウスメーカーの関連会社)のオープンハウスの案内です.もちろんこれはモデルハウスではありません.ちゃんと実在する個人邸のオープンハウスのお知らせなのです.
写真はハウスメーカーのように既製品ばっかりでもないし,建築家っぽさを漂わせつつも,建築家特有のあくの強さを巧みに漉し取ったインテリアカット.いかにも30~40代のおしゃれで感度の良いクライアントに幅広くアピールしそうです.
一方の我々のオープンハウスといえば,完成間際の写真と地図の入ったお手製のPDFを仲間内で回覧する程度のもの.これはオープンハウスのために事前に完成させ,施主の了解のもとモデルを入れて撮影まで行い,地域に10万部単位で折り込みチラシを入れているという,我々には絶対に真似のできない方法です.
もちろん真似したいとも思いませんし,もともとうちのような事務所にいらっしゃるクライアント層とはかぶりそうでかぶらないので,ライバル意識はありませんが,オープンハウスにここまでやるか(ありえない)という意味ですごいインパクトでした.
ハウスメーカーもここまでやる時代です.いつまでも変わらないのは建築家だけ?そろそろ危機感持たないとまずいかもしれません.
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