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今年3月に竣工した「緩斜面の家」の竣工写真を以下にアップしました.ゆるやかな緩斜面に建つ平屋建ての住宅です.竣工して半年ほど経ちますが,庭には緑が入り,またリビングにもセンスの良い家具がレイアウトされていました.

このおおらかな風景のせいでしょうか,この家に来るとほんとうにのんびりした気分になります.定住ですが,別荘のような佇まい.お施主さんはここから新幹線で通勤しているのだとか.う~ん,うらやましい笑

写真家は新澤一平さん.今回も素敵な写真をありがとうございました!

〇緩斜面の家/M邸 (2013年3月竣工) 撮影:新澤一平
https://www.riotadesign.com/works/13_kanshamen/


13. 09 / 26

メトロタイル

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「ほら,今人気のニューヨークメトロのタイルってあるじゃないですか」
クライアントにそう振られたって,涼しい顔で「あぁ,ハイハイ」と言わなくちゃいけない時だってあるわけです.

そんな「某人気スタイリストさんが広めたとされる今巷で人気のニューヨークメトロに張られていたタイル」なわけですが,プロであるはずの私はなにも知りませんでしたが,なにか.

このタイル,精度がひどくて厚みのばらつきが半端ないらしいんですが,このばらつき感がウリなのだとか.翌日,わが優秀な部下ウシジマ君は早速このタイルが実際に使われている店舗を調べあげ,メモをこっそり手渡してくれたわけです.見に行きましたよ,さっそく.ふ~むなるほど.

で,早速今日から使おうと思います.タイルじゃなくて.
「ほら,今人気のニューヨークメトロのタイルってあるじゃないですかぁ?」

13. 09 / 18

突風被害

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台風18号の影響で吹き荒れた突風は,熊谷市を中心とした埼玉県北部の地域に甚大な被害をもたらしました.

【報道】台風18号 突風、熊谷で26棟全壊

うちも2009年に熊谷で1件住宅を設計しています.「かたつむりハウス」といって,中庭を囲んだ木造2階建ての住宅です.心配していたのですが,お施主さんのKさんよりメールがあり,ご家族,家屋共に無事だったとのこと.ほっと胸をなで下ろしました.
Kさんからのメールを以下一部引用させて頂くと,

「突風の発生時は、もの凄い轟音と地響きで目がさめ、家ごと吹き飛ばされると、恐怖でいっぱいでした」

「両隣りの家は屋根瓦やカーポートの屋根がはがれたり、窓ガラスが割れたり、雨どいが取れてしまったり、、、裏のコンビニはガラスが割れて、商品が散乱していました。家の前の電線には、大きなトタン屋根が布切れの様にぶらさがっていました。 庭にはどこからか飛んできたガラスや瓦の破片、トタンが散乱し、昨日と今日はずっと掃除をしていました」

当時の様子はとても想像出来ませんが,さぞや恐ろしい状況だったとお察しします.
ところがお住まいの建物には何かがぶつかってへこんだ跡はあったものの,修繕の必要はなく,雨樋ひとつ飛ばずほぼ無傷であったとのこと.周囲に甚大な被害をもたらした災害の中,この家だけが受けなかった被害は奇跡のように思いました.

要因を分析すると,中庭を囲んだ壁が要塞のように突風を阻んだこと,駐車場の屋根も建物と一体で作ったこと,確かな施工,そしてなんといっても低く低く抑えたこの建物のプロポーションが,風を受け流し,建物へのダメージを最小限に抑えたのだと考えています.

周辺にもたらした被害を思うともちろん浮かれているわけにいきませんが,私にとっては,直接関係したKさんがご無事であったこと,そして我々が作った家が無傷でKさんを守ったということが何よりも嬉しく,誇らしく思いました.

当時遠景のこの住宅を眺めては,なんかフェラーリみたいだね,風を切って進みそうだね,と冗談交じりに話していたことを思い出しました.

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過去にリフォームのご相談に見えた方がいた.うちが設計をお引き受けできるほどの予算もなさそうで,これで工務店にお願いされてはどうですかと,その場で図面を描いて差し上げた.それがご縁となって,数年後の実家の建て替えにあたっては私を推薦して下さり,そんなお仕事が今日一つ決まった.うちにとってはこれまでになく大きな仕事になりそうだ.

今日はその後ハシゴをして,大学同期の友人と会った.彼との再会は実に18年ぶりくらいだろうか.自宅のリフォームの相談だったのだけれど,話を聞くとやはりとても設計料を頂けるような内容ではなく,工務店に直接お願いしてはどうかと提案してみたものの,結局簡単に図面を描いてあげる約束をして別れた.同級生に設計を頼まれるのもこれで3件目になる.

我々は業としての設計を日々行っているわけだけれど,世の中にはお金は頂けない,あるいは自ら損をしてでもやるべき仕事というものはあって,それをやり遂げた時,どこからともなくそれに釣り合うご褒美が用意されていたりする.そして過分なご褒美を頂いたときは,それに釣り合う社会への還元を再び考えなくてはならない.

友人の仕事を無償で引き受けようと思ったのは,直前に大きな仕事が決まったからだったかもしれない.けれどもこういう気持ちの連鎖はなかなか悪くない.

建築家という仕事はどこかボランティアと深く繋がっている仕事のように思えてならない.もちろん我々も食べていかなくてはいけないからボランティアだけでは成立しないけれど,業としての設計と,建築家として生きるということは似ているようで本質的に異なるように思う.

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昨日,北欧家具TALOさんより今度の「隅切りの家」に納品予定のartekの家具が届きました.ひとつはアールトのスツール60,もうひとつはイルマリ・タピオヴァーラのドムスチェアです.

後ろに見えているのがドムスが入っていた段ボール箱.でかいです.椅子の歴史は常に輸送(deliver)の歴史でもありました.椅子を運ぶのってほとんど空気を運んでいるようなものですからね.だからその輸送コストや,在庫コスト(かさばる)も含めて椅子の値段は決まるのです.

一方の箱入りのアールトのスツール.すべてバラしてこの状態で届きます.中をあけるとパーツがびっしりで,隙間がありません.実は語られないアールト家具の秘密がここにあります.アールトの量産タイプのダイニングチェアやスツールはこのように全てバラす(assemble)ことができます.こうすることで,異なる椅子相互のパーツの融通性はもちろん,工場で組み立てる手間も省け,バラして運ぶことで在庫や運送コストをギリギリまで抑えることができるのです.

これは極めてフィンランド人的な合理主義的発想.ネジを見せないのではなく,むしろ見せてでも徹底的に無駄を省く.そのことによって,良心的な価格で誰でもこの世界的名作を手にすることが出来るのです.できればタピオヴァーラもアセンブルできるようになるといいですね.

ところでもう一つの写真は,フィンランドから帰ってくるときに,友人のヤリ・イェッツォネン氏の工房にあったペンキまみれのドムスチェアをもらい受けて帰ってきたものです.こんな汚い椅子いるのか?とヤリさんにも怪訝な顔をされましたが,私がフィンランドで大好きだった椅子の一つです.

ちょっと前までは,ヤリさんのところの椅子のようにどこにでも転がっていましたが,TALOの山口くんによると,最近の世界的な人気の高まりでヴィンテージは本国でももうほとんど出ないそうです.出ても程度が悪く,その割に法外な値段がつくのでTALOももう積極的には仕入れていないのだとか.

納品予定のドムスは新品です.秋口に追加で黒のタイプも届きます.あ,そうそうTALOさんはヴィンテージだけでなく新品のartekも扱っていますよ.お店(倉庫?)も楽しいので,興味のある方は是非足を運んでみて下さいね.
北欧家具TALO http://www.talo.tv/