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> 思うこと
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家づくりのご相談に乗るときは,よく結婚を例えに出すことが多い.その人の結婚観というものは,そのまま家づくりにあてはまることが多いからだ.

結婚したいと思ってできるものではないのと同じように,家は建てようと思って建てられるものではない.もしかして,お金があれば家は建てられると思ってはいないだろうか.そういう人は同じように,お金があれば結婚ができると思う人である.そしてそれを実現する人もいる.お相手はやはり,相手にお金があるから結婚した人かもしれない.

方法を選ばなければ結婚はできるのと同じように,方法を選ばなければ家は建てられる.そしてもしかしたら宝くじに当たるような確率で,それで大成功する人もいるかもしれない.しかしほとんどの人は自分たちが失敗したことにまだ気づいていない人たちである.その場合は,成功した人を見てはじめて,嫉妬とともに自分たちが失敗したことを知るのかもしれない.

プロセスがあるから恋愛は楽しいように,困難を乗り越えるからこそ家づくりは楽しい.そしてすべては出会いからはじまる.目的があるから出会うのではなく,出会いがあるから目的が生まれるのだ.

結婚と恋愛は違うと言われるように,単に建築が好きということと,自らが建築を建てるということは違う.また賃貸に住むということと,持ち家に住むということも本質的に全く異なる.

賃貸か持ち家かで悩む人がいたとしたら,家を持つのは絶対にやめたほうがいい.結婚とは現実であり意志である.同様に,家を建てようとする者は現実と向き合う意志の塊でなくてはならない.惰性に身を任せようとするならば,賃貸で十分である.

上記の説は,うちのクライアントは例外なく素晴らしい伴侶を持つ”理想のご夫婦”であることからも既に実証済みである.理想の結婚と家づくりは,実は非常に近い関係にあるといえる.

13. 01 / 23

立体架構の屋根

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> 仕事
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今日の大工さんとの打合せ,複雑な架構をどう説明するか.模型を作るか.殺気だって仕事しているスタッフには声がかけづらく,所長自ら作りました.格好いい!額に飾っておきたい.

「隅切りの家」いよいよ着工です.柱をなくした内部空間に,立体架構の屋根がふわりと浮かびます.構造は山田憲明さん.ただ相当難易度が高いようで,早くも工務店さんや大工さんの頭をう~ん,う~んと悩ませております.

今から組み上がった架構を夢見て.上棟が楽しみです!

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> メディア
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現在発売の「住まいの設計(扶桑社)」3月/4月号の巻末,「地元建築家がガイドする名建築」のシリーズに,地元愛媛に戻って事務所を開いた,うちの元スタッフ二宮一平が登場です.実はこの「地元建築家がガイドする」シリーズ,埼玉編は過去私が担当しました.リオタデザイン,ついに埼玉と愛媛を完全制覇です笑.

二宮はうちの記念すべきスタッフ第一号.住宅の処女作「ILMA」を設計中に転がり込んできました.「お金は払えないよ」の言葉通り,最初の数ヶ月は本当に無給だったと記憶しています.二宮と過ごした中目黒時代には泣ける話もいくつもあります.本当の意味で苦楽を共にしたスタッフの一人です.

当時まったくの無名だった私の事務所に飛び込んだ彼の勇気や無謀さにも敬服しますが,今では地元で少しずつ根っこを広げつつあるとの近況に,少しほっとしてもいます.彼は事務所を去るときにこう言いました.「自分はリオタデザインの経歴で今後も食っていきますので,関本さん,どうかもっと活躍して僕を食わして下さい!」

半分冗談交じりながらも,これは結構切実な問題.建築家にとっては,どこで下積みを経験したかというのは一生ついて回る問題なのです.そんな誌面に載った彼の経歴にちょっと感慨深いものを感じました.なんと愛媛編は2号に渡って特集だそうです.次は本業の建築作品で,堂々と誌面を飾って下さい!

ちなみに同じ号の,東芝の太陽光発電のPRページにさりげなく登場しているのは,”練馬の栗原はるみ(私が勝手に命名)”こと,FILTERのUさん.その超絶的住みこなしっぷりで,OB施主に半端ないプレッシャーをかけ続けているとかいないとか.

今後とも”模範的クライアント”の一人として,抜き打ちの訪問にも耐えるような住みこなしぶりに期待するばかりです.Uさん,今後ともよろしくお願いします!
(地味に私もUさんに,プレッシャーをかけ続けているとかいないとか)





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> 仕事
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2月初旬に永福町にてオープンハウスを予定しております.

袋小路の奥に位置するこの敷地には,隣地にはみ出さんばかりに茂ったしだれ桜がありました.この木をこの土地を住み継ぐ象徴として残し,家族を招き入れるようなアプローチとするところからこの計画ははじまりました.また,施主の愛車であるジープに流れる徹底した合理性や機能主義もそのフォルムに踏襲し,四間四方のプランに六寸勾配の方形屋根という,極めてシンプルかつストイックな構成としています.

構造はSE構法とすることで,耐震強度を担保し,欠損が大きく複雑な方形の架構を金物を使った最小限の部材によって構成させています.まだ土壌蓄熱床暖房の採用による深夜電力を利用した暖房システムや,夏期の日射コントロールのために外付けブラインドなども採用しています.家族のつながり,土地とのつながり,しだれ桜の古木との時間のつながりをテーマに据えた「継ながる家」です.

【しだれ桜の家】オープンハウス
日時:2月2日(土)13:00~17:00くらい
場所:京王井の頭線・永福町駅より徒歩8分

ご興味ある方は,以下までご連絡下さい.追ってご案内をお送りします.
関本竜太 riota@riotadesign.com

13. 01 / 14

kuppi kahvia

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> 仕事
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クライアントがご要望やその求める空間のイメージを設計者に伝える方法は実に様々だ.時に口頭で,時に箇条書きにして渡されることもあるし,ある美術品に託して渡されることもある.

私の独立後の初仕事となったカフェmoiの岩間さんの場合,まだ私がフィンランドに留学中だった頃,そして岩間さんもテナントもまだ見つからず,オープンの見通しも何も立っていない頃に,無名の私にその夢を託し二枚のコンピレーションアルバムを贈って下さった.

「kuppi kahvia (a cup of coffee)」とタイトルが書かれたお手製のラベルに,岩間さんがセレクトしたボサノヴァの名曲がびっしり詰まった手作りのCDだった.岩間さんは一言「こういう曲が流れるお店にしたいんです」とおっしゃった.それは当時の私にとって,空間を設計するのに必要にして十分な情報だった.実際それ以外のことは何もおっしゃらなかったと記憶している.

当時はもうすり切れるくらい(実際はCDだからすり切れることはないのだけれど)聞き込んだ.そして今でもこんな雪の降る日にiPodから流れてくる曲は,やっぱり岩間さんの選曲なのだった.あれからずっと聴き続けているのに飽きないというのはすごいことだと思う.それはmoiというお店そのものであり,岩間さんが淹れてくれるコーヒーそのもののような気がする.