昨日は永福の家のオープンハウスでした。

スケジュールの関係で1日だけのご案内となり、人数集中のため事前申込みも早々に締め切ってしまったので、あまり広くお知らせできずすみませんでした。

敷地は46坪ほどあったものの、建蔽率は40%、壁面後退1.5mという厳しい建築条件があり、建蔽率目一杯を使いながら1.5mの後退空地をいかに使い切るかも同時に考えた計画です。結果として、下町の路地のようなかわいらしいアプローチと庭先が生まれ、奥へと延びる空間は非日常感のあるシークエンスにもなったように思います。

ひっきりなしに見学者がいらしたため、何度かに分けてルームツアーも行いました。ただ設計条件は語れても、どうして設計がそうなったのかは私にも謎ばかり、、。最近どんどん設計が感覚的になっていくのを感じます。

今回は普段あまり使うことのない障子を空間に取り入れたことで、空間に予期しない変化が生まれたことも発見でした。建主さんの持つ教養と文化度が、今回の空間に品格を与え、いつもとは違う場所に連れて行っていただけたような気もします。

お越しくださった皆さま、ありがとうございました!






また建築ウェブメディアの architecturephotonet 編集長の後藤連平さんもいらして下さり、SNS上にて丁寧なレビューを寄せて下さいました。

建築ディテールの話というより、我々の住宅設計への向き合い方に対して、かなり核心的なことを書いて下さっています。

詰まるところ、私のモチベーションのコアは建築そのものというより、人との関わり方のようなことなので、そのようなお話ができて楽しかったです。はじめて来てちょっと見ただけでここまでのことを感じて頂けるとは、やはり後藤さんはすごい方だなと思いました。

以下にもリンクさせて頂きます。
後藤さん、ありがとうございました!


杉並区の永福にてまもなく住宅が竣工します。こちらの内覧会を4月27日(日)に予定しております。

■永福の家|オープンハウス
4月27日(日) 10:00~16:00ごろまで
京王井の頭線「西永福駅」より、徒歩6分

今回は都内案件で、開催日も1日しか設けられず混乱も予想されますので、こちらのご案内のお申し込みは「一般の方(家づくり検討中の方)」を優先してお受けさせて頂きます。

見学ご希望の方は、以下までご連絡下さい。詳細情報をお送りさせて頂きます。
info@riotadesign.com

建築関係者の方でもしご覧になりたいという方は…
こっそり私宛にご連絡下さい。余裕がございましたらご案内させて頂きます m(__)m

現場は、、絶賛工事中です!汗




小さなヘアサロンを併設した店舗併用住宅が竣工します。

道路に向かって大小ふたつの家が肩を並べるように建ち、大きな家が住宅、小さな家がヘアサロンになっています。住宅とヘアサロンのあいだには小さな中庭を設け、それぞれの領域のバッファーにすると同時に、緑をまちにもこぼすような構成としています。

昨今の建設費の高騰は、建て主さんにとってもかつてのようなご予算では家が建てられず、家づくりには大きな逆風になっている実情があります。

本計画のはじまりは2020年にまで遡ります。ご予算の壁に断念しかけたこともありましたが、土地探しから伴走し、紆余屈折を経てようやく実現にこぎ着けました。

竣工を迎えるにあたり、オープンハウス(内覧会)を開催させて頂きます。建築関係者、一般の方、家づくり検討中の方などどなたでもご見学頂けます!


[S/Y]オープンハウス

2025年
3月1日(土) 10:00~16:00
3月2日(日) 10:00~16:00


敷地面積:107.20m2/32.42坪
延床面積:84.74m2/25.63坪/住宅部:約20坪・店舗部:約5坪
場所:埼玉県入間市
最寄駅:西武池袋線「元加治」駅より徒歩15分

見学希望の方は、メールよりご連絡下さい。折り返しご案内をお送りします。
info@riotadesign.com

皆さまのお越しをお待ちしております!




24. 12 / 15

柴くんの自邸

author
sekimoto

category
> OPENHOUSE
> STAFF



アキミチデザインの柴秋路くんの自邸が竣工したとのことで、内覧にお邪魔してきた。柴くんはリオタデザインの元スタッフで、うちに入社したのは今から16年くらい前のことだ。もともとは私が設計したカフェmoiの常連さんで、カフェのオーナーから紹介された当時、彼はまだ専門学校の学生だった。

いわゆる建築学科を出ていない彼は、私の事務所に入るまでに、そして独立するまでにも紆余屈折があった。詳細は省くが人一倍苦労していることは確かだ。苦労は人を育て、そして設計に深みを与える。

独立初期こそリオタデザインの呪縛を抱えているように感じたものの、彼はそこからすぐに抜け出し、独自の世界を作るようになっていった。

彼の住宅にあるのは陰の存在だ。それは光と影という意味の陰ではなく、どこか心の奥底にある陰のようなもの。それが彼の設計には滲み出てくる。

この自邸においても、そんな彼の設計にかける情念のようなものが強く感じられた。それは人間の持つ執着や業のようなものとでもいおうか、割り切れない迷いが随所にあった。それがとても良かった。

私は裏表のないような人間を信用しない。そして論理だけでつくられた住まいにもまた魅力を感じない。それがいくら斬新であり、あるいは性能の裏付けがあったとしてもだ。住まいは人間が隠し持つ陰があらわれる場所であり、それを受け容れる場所であってほしいと思う。

たまたま居合わせた友人建築家が、彼は本当に私の事務所にいたのか?と尋ねた。たぶん、いたと思う。今の彼は私には作れない空間を作るようになった。それがただ嬉しい。

柴くん、おめでとう。
スタート地点に立ちましたね!

akimichi design
https://akimichi-design.com/







昨日は秋晴れの中、成瀬猪熊事務所の集合住宅「風の道テラス」のオープンハウスへ。地勢を読み、南北に抜けるスリット(切り通し)を何本も通した複雑な構成。斜面に埋め込むように、地上に地下に何層にも重ねた住戸構成はまるで迷宮のよう。

各住戸のインフィル設計を複数の事務所で行うなど、ある意味「変数x変数」の構成は作るほうも束ねるほうも、想像を絶する大変さだと思いますが、それをまとめ切った手腕に拍手を送りたくなりました!(内部撮影不可のため外部写真のみ)


帰りは建物のすぐ斜向かいにある林芙美子記念館へ。設計は山口文象氏。前を通っただけで中を覗かずにはいられなくなるほどのオーラを放つ門構えに、我々も例外なく吸い込まれてしまいました。

山口文象氏の設計もさることながら、庭の作りや建物のプロポーション、空間構成など終始唸らされました。本当に素晴らしい邸宅で、本物の文化人の住まいだと感じました。現代は性能の時代、もう今の時代はこういう住宅は作れないのでしょうね、、。

紅葉もきれいで、オープンハウスとのセットで贅沢な時間を過ごさせて頂きました。