
オープンデスク二人目が終了。先に決まっていた子がインフルになり、代わりに急遽来ることになった専門学校の子だった。とても大人しい子で、最初は緊張しているのか入口もそ~っと入ってくる感じ。課題を出して毎晩エスキスをし、次第に慣れてくると良い質問をしてくるようになった。
この子の優れていたのは、毎日ちゃんとプランを形にする力があったこと。線もとても良い線を描く。毎日ハードルを上げて、最後は模型も含めてなかなか素晴らしい案をまとめ上げた。勘が良くセンスのある子だった。
よく思うのは、我々は音楽を聴いて「これは良い曲だな」と思うことはあっても、良い曲を書くことはできない。良い曲がどういうものかは分かっているのに、それを作ることができないというのは不思議なものだ。それと同じように、建築を見て「これは良い建築だな」と思うことはあっても、良い建築を作ることのできる人はごくわずかだ。それは教えられるものではない。
自分が良いなと思えるものを、すっと作ることができるのは才能なのだと思う。そんな気配を感じる子だった。それに気づいていない感じがまたよかった。このまま進んで欲しいと思う。

昨日はJIA支部広報誌であるBulletinの編集打合せのため、現編集長の長澤徹さんのできたてほやほやのご自宅兼事務所にお邪魔してきました。
長澤さんは、大手ハウスメーカーから独立された経歴から、ご自身のお仕事をいつも謙遜してお話しされるのですが、とてもシャープで、ある意味アトリエ系建築家よりも尖った作風?に驚きつつ、長澤さんの美意識に貫かれた空間を堪能させて頂きました。
ちょうど外構工事中でしたが、宇都宮のCOMODOさんの仕事でご一緒した造園家の長谷川さんとばったり。長澤さんとは旧知の仲だとか。造園の完成形も楽しみです!長澤さん、お邪魔しました。Bulletinでも引続きお世話になります。

20. 02 / 11
「先端建築学」レポート
author
sekimoto
category
> 建築・デザイン
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先日、岐阜県立森林文化アカデミーというところで特別講義をさせて頂いたことをブログに書かせて頂きましたが、今回我々を呼んでくださった、アカデミーの松井匠先生が以下の非常にアツい(熱く、そして厚い笑)レポートを書き下ろしてくださいました。読み応えがあります…。
『住宅デザインのトップランナー2人から学ぶ「暮らしを提案できるクリエーター」先端建築学』
https://www.forest.ac.jp/academy-archives/newarchi2019/
当日の我々の伝えたかった思いを実に的確に咀嚼してくださり、心より感謝致します。また悩み多き若者達の想いも汲んだとても心に響く文章です。さすが先生、学生の心をわかっておられる。
松井匠さんは、建築家で木造伝統工法を追求する松井郁夫さんの息子さんでもあり、以前松井郁夫さんの主催する「木組ゼミ」という建築家育成の私塾で何度かレクチャーをさせて頂いた折にも大変お世話になりました(当時は匠さんは松井事務所の番頭さんでした)。松井親子のあり方は、私の中では理想の親子像のひとつになっています。
今回ご一緒させて頂いた小谷和也さんもそうですが、人との出会いやつながりは大切ですね。私はいつも優秀な周囲の方達に助けられている気がします。匠さん、どうもありがとうございました!
『住宅デザインのトップランナー2人から学ぶ「暮らしを提案できるクリエーター」先端建築学』
https://www.forest.ac.jp/academy-archives/newarchi2019/
当日の我々の伝えたかった思いを実に的確に咀嚼してくださり、心より感謝致します。また悩み多き若者達の想いも汲んだとても心に響く文章です。さすが先生、学生の心をわかっておられる。
松井匠さんは、建築家で木造伝統工法を追求する松井郁夫さんの息子さんでもあり、以前松井郁夫さんの主催する「木組ゼミ」という建築家育成の私塾で何度かレクチャーをさせて頂いた折にも大変お世話になりました(当時は匠さんは松井事務所の番頭さんでした)。松井親子のあり方は、私の中では理想の親子像のひとつになっています。
今回ご一緒させて頂いた小谷和也さんもそうですが、人との出会いやつながりは大切ですね。私はいつも優秀な周囲の方達に助けられている気がします。匠さん、どうもありがとうございました!


このたび、松井匠先生、辻充孝先生よりお声がけいただき、岐阜県立森林文化アカデミーの「先端建築学」という授業にて、建築家の小谷和也さんとともに登壇させて頂きました。
森林文化アカデミーの名は、木造実務者の間では知らぬ者はいないと思いますが、私も実際に足を運ぶのは初めてでした。岐阜は遠いと思っていましたが、思った通り遠かったです笑。
午前中の講義では、小谷さんと私とで、それぞれの得意とする設計分野について掘り下げてお話しさせて頂きました。小谷さんからはマンションリノベの奥深さについて。私は構造家・山田憲明さんとの協働仕事を通じて、木造の柔軟な考え方や可能性についてお話ししました。相変わらず小谷さんのお話は面白く、持参した家具の実演にも学生たちは喰いつくように見入っていました。


午後は「円居(まどい)」と名付けられた、学生たちの手による自力建設の小屋にて、講師と学生皆が車座となり、暮らしと木の家具、似ているようで違うお互いの設計の進め方や仕事の考え方についてお話ししたり、質問にお答えする形で意見交換をさせて頂きました。
今回とても驚いたのは、私がフィンランドで学んだ木や建築についての実践教育が、この地で育まれていたこと。アカデミー内には木を加工するための工具や設備が揃い、学生たちは座学のみならず、実際に手を動かし、自力建設を通じて建築を体系的かつ体感的に学んでおられるようです。

私はフィンランドに留学した当時、それまで実務で住宅の設計はしていたものの、木を実際に削ったり加工したことはありませんでした。国内の理系の建築学科では木に触れる機会はないからです。フィンランドではじめてそれらに触れ、実際に木を触ったことがないまま頭の中だけで設計していたということに気付かされました。
木や木造建築に深く関わりたい学生や社会人の方は、大学院に進むつもりで一度岐阜で実際の木に触れてみることを強くお勧めします。
岐阜県立森林文化アカデミー
https://www.forest.ac.jp


一昨日のJIAのシンポジウムには、私の大学の教え子やその友達など10名を越える学生さんが参加してくれました。
当日はJIAとしては異例となる建築家と工務店との協業や、設計施工型の工務店の持つ可能性など、幅広いテーマを扱ったという点でも画期的だったと思いますが、これだけ多くの学生が参加したイベントというのも異例だったのではないかと思います。
先の工務店との協業というテーマが示す通り、これからは建築家が設計仲間に囲まれて建築を語っているだけではだめだと思うのです。
そして同じように、学生も大学の中だけで設計課題をこなしているのでは話になりません。言っておくけど、君たちがやっているご都合主義の設計課題なんて、社会に出たらこれっぽっちも役に立たないからね。
昨日参加してくれた学生たちは、懇親会で建築家たちに囲まれて、束の間大人の世界を垣間見たことと思います。そう、それが君たちが生きるリアルな建築の世界なんだ。社会とつながろう。街を歩こう。そう植久さんも言っていたよね。
私もその昔学生の頃、JIAの卒業設計コンクールへの出展に絡んで、実行委員の建築家の方達に呑みに連れて行ってもらったことがありました。
若かった私はずいぶん生意気なことを言っていたと思うのですが、咎めるどころか「君は面白いねえ!」と楽しそうに話を聞いてくれました。それが誰だったかなんて覚えていませんが、それを今でも忘れないというのは、きっとすごく嬉しかったんだと思う。
昨日の学生たちがとても嬉しい感想をくれました。以下引用させてください。将来のJIAそして建築を担う若者たち。昨日のことは忘れないで欲しい。
◇
編集者の方や実際に建築に携わる仕事をしている方々のお話を聞いたりすることができ、貴重な体験ができたなと感じました!
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トークセッションでは、省エネや工務店建築家の関係性など、興味深い内容が多くて勉強になりました。その後の二次会でも様々な話を聞けて、多くのことが学べました。食事まで奢っていただいて...本当にありがとうございました!
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編集者の視点で建築を考えるということは、普段の講義では出来ない貴重な経験でした!協業の話をはじめ、これからの建築業界に求められるものがほんの少しだけ分かった気がします。本当に楽しかったです。
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シンポジウムだけに留まらず、社会で働いている方々を紹介していただきありがとうございました!働いている大人の話を聞けたことは、新鮮で面白かったですし、将来の進路を考えるにあたって貴重な時間になりました!ありがとうございました‼︎
