グラフィックデザイン事務所tobufuneの事務所計画は、ただ本棚が沢山あるというだけではありません。スタッフの増減にフレキシブルに対応できる可変デスクシステムや、窓の開閉、階段上部の本をどのように取り出すかなど細部に至るまで手を抜かずに解決しています。

この小さなスペースに、知恵を絞りきるとここまでできるのだということを、わかりやすく動画にまとめましたのでご紹介したいと思います。


[高所足場パネル]

デスク脇の腰壁パネルを外すと、階段上部に渡す足場板にすることができます。もちろん人が乗れるよう強度を担保しています。上部に上がるための脚立はキッチン下にすっぽり納まります。

またこの脚立を使えば、高所の本も女性スタッフであっても容易に取り出すことができるというスグレモノです。



[可変デスクシステム]

スタッフの増減に合わせてデスクを増設、あるいは減らすことができます。デスクを取り外した後は元通り本棚に戻すことが可能です。



ちなみに、取り外した棚板やカウンターは、奥の水回りに設えた専用の棚に収納することができます。ちなみにこの下は既存の浴槽です。賃貸のため浴槽を外すことができず、浴槽をすっぽりシナランバーで囲って棺桶状態にしてます。もちろん蓋をあけて浴槽内にも収納することができます。



ギミックのように見えるかもしれませんが、全力で解決した結果そうなったということで、本人はいたって真面目です。今回は事務所の計画でしたが、これらのいくつかは、住宅でもそのまま応用できそうです。

たとえば可変デスクは、ライブラリが勉強部屋になったり書斎になったり、家族の変化にも追従してくれそうですね。


この状態ではまだ肝心の本が入っていませんので、まだ完成とは言えません。本がまたびっしり入った状態で、また再撮影させて頂こうと思っています。またその時期を楽しみにしていて下さい。

tobufuneさんの、益々のご発展をお祈りしております!

tobufune
http://tobufune.com/

19. 04 / 14

志村、うしろ

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sekimoto

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> OPENHOUSE
> 仕事



tobufune内覧会、第一日目終了。

毎回のことながら、内覧会にクライアントがしれっと潜り込む。内覧会では、設計者との閉じた関係性の中でつくられたものが衆目に晒され、ある意味社会性をまとう瞬間に立ち会うことになる。

文脈を知らない来場者が、それを見てどんな反応や感想を漏らすのか、それを最後に見届けるというのもクライアントの特権であるとも言えるかもしれない。

一方こっちはどっきどき!

みんな変なこと言わないでね、と心の中で祈るばかり。口々に率直な感想を漏らす来場者の後ろをうろつくクライアント。引きつるわたし。まさに「志村、うしろ!」状態である。(このネタがわからない人はググって下さい)

この中に犯人、じゃなかったクライアントがいます。

19. 04 / 07

tobufuneの本棚が

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sekimoto

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> 仕事
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グラフィックデザイン事務所、tobufuneさんの事務所内装計画でメインの本棚がいよいよ組まれ始めました。今回はすべて家具製作のため、現場作業はわずか一週間!ここからが勝負です。

既存の縦軸回転窓もすべて開くように計算されています。ほかにもカラクリのような仕掛けが随所に。仕上がりが楽しみです。

予告ですが、希望者を対象に来週4月14日(日)と15日(月)(ともに午後)に内覧会を開催する予定です。といっても、一週間前の今日でこの状態ですから、来週本当に完成しているのか…とっても不安です。




宇都宮市で進めて参りました「パーゴラテラスの家」を本日お引渡し致しました。着工が昨年の7月末でしたので、工期は結果的に8ヶ月もかかったことになります。またひとつ大きな仕事が終わりました。

この住宅の建て主さんはなんと20代。私にとっても歴代最年少クライアントでした。ブログに載せた立派な住宅の佇まいから、もしかしたら特別なお仕事のクライアントさんだと思われた方もいらっしゃったかもしれませんが、一般企業にお勤めの方です。家づくりにかけられた総費用も、他の住宅とさほど大きな違いがあるわけではありません。

この仕事を長くやっていると、時折このようなとても恵まれた(ように見える)方に出会います。こういう方に共通しているのは、思いがとても強く、そして常にポジティブであること。状況を素直に受け入れ、率直に喜べる方だということかもしれません。

我々との打合せでも、お二人とも我々の小さな提案の数々に毎回小躍りして喜んで下さいました。その姿を見ていると、我々ももっと喜ばせたいという気持ちになってくるのです。こういう人の周りには人が集まります。成功される方の特徴かもしれません。

今日も心から喜んで下さり、関係者一同本当に清々しい気持ちになりました。Kさんのためにお仕事ができたことを、我々も誇らしく思います。


そんな建て主さんのポジティブなオーラに引き寄せられるように、今回の計画には施工、構造、造園と、各業界を代表する豪華な仕事人たちが集まりました。この顔ぶれが一同に会するのは私にとっても奇跡に近いことでした。

中でも施工を担当下さったCOMODO建築工房さんには、本当にお世話になりました。また大変なご苦労もおかけしたことと思います。もともと、COMODOさんは建築家でもある飯田亮さんの主宰する工務店で、我々の設計する住宅を施工だけお願いするというのは少し申し訳ないとも思っていました。

しかし、うちの仕事を是非やってみたい!とおっしゃって下さり、前向きに、積極的に取り組んで頂けたことは本当にありがたかったことでした。いわゆる工務店の施工というより、設計事務所が施工下さっているという感覚で、細部まで我々のこだわりを忠実に実現して下さいました。

中でも現場を担当下さった石川弘樹さんは、COMODOでも設計実務の主軸を担うスタッフさんであるにもかかわらず、おそらくは他のCOMODO案件以上に?我々の現場に張り付いて、実に細やかな対応を続けて下さいました。しかもいつもニコニコと…。石川さんを思い浮かべると、いつも笑顔しか浮かばないというのもすごいことです。あの大変な現場を進めながら、本当に頭が下がる思いです。


あらためて建築をつくるのは人だということ。そのことを身に染みて思います。性能やデザインなどは後からついてくることなのです。今回のプロジェクトを構成するメンバーの、誰一人欠けても今日の日を迎えられなかったでしょう。人との出会いに感謝します。

建て主のKさん、COMODOの飯田さん石川さん、そして弊社担当スタッフの矢嶋くん、みなさまお疲れさまでした!そしてありがとうございました。

またあらためて打ち上げでもやりましょうね。

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sekimoto

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> 仕事
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築50年の住宅リノベーション。瓦屋根は残して老朽化した軒樋を付け替えています。そんな軒樋工事のためだけに、レジェンド板金職人の新井勇司さんが鋏を握って下さっています。なんて贅沢!

今回は複雑な屋根形状のため、上屋の雨水を下屋に流すための這い樋を設けているのですが、現場に行くと新井さんが特製の這い樋を製作して下さっていました。う、美しい…。

設計上は単に縦どいをそのまま屋根に転がすだけの予定だったのですが。レジェンドはやはりこういう場面でも伝説を残すようです。反りのある軒先もうまく納めて頂きました。やはり唸らされます…。