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ついこの間「西荻の家」を引渡したばかりですが、気が休まる暇はありません。昨日は川越の「FP(S邸)」の施主検査がありました。

私はこの住宅を建築ではなく”工芸品”と呼んでいるのですが、板金とシナベニヤだけでできている住宅ですが、神のような施工精度です。このことについては追々書きたいと思います。

今日の奥様の名言「わーオープンハウスみたい!」
オープンハウス見に行って、一番気に入った家に実際住めちゃうみたいな。なんだかほのぼのしました。

ダメをチェックするつもりが、次々と細かいディテールを発見して「これがいいよね」「これだけを肴に一杯いけるね」とデザイナーのクライアントとの話はいつまでも尽きないのでした。

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スタッフの吉里くんが今月末(つまり今日)を最後に、事務所を離れることになりました。

といっても正確に言うとまだ退社ではなく、仕事のプラットフォームを自宅(分室)に移すというだけで、引続き7月竣工予定の「はねだしテラスの家」の完成までは、弊社監理スタッフとして働いてもらいます。

というわけで、私は来週も現場で彼と顔を合わせますし、正直実感はないのですが、彼のガランとしたデスクを見るとちょっと寂しくなってきますね。

彼はうちの事務所に来てもう3年になるでしょうか。うちに来たときから、すでに仕事のキャリアも実力も申し分なかったので、わざわざ苦労してうちで働かなくていいんじゃないの?という話をしたのを覚えています。

子供までいる彼は、毎朝子供と電車に乗り、途中下車して預けた自転車で託児所に送り、そこから再び出勤するという毎日を送っていました。そして誰よりも早く出勤し、誰よりも早く帰る。彼の描く図面は緻密かつ正確、そして手も早いので「もうできたの?」と驚かされることも多かったです。うちにとっても貴重な戦力でした。

この3年間で彼が担当した住宅は7件。先日竣工した「西荻の家」も彼の担当になります。特に西荻などは”緻密の極み”のような仕事でした。まさに彼には適任の仕事だったような気がします。

前述のように、まだまだ弊社スタッフとしての仕事は続くので、終わりではないのですが、まずは切りが良いところで「お疲れさまでした!」と送り出したいと思います。

うちを離れるスタッフは、他社への転職ではなく、ほとんどが独り立ちしてゆきます。修業時代の終着点としてうちを選んでくれたことは、いつも嬉しくありがたく思っています。彼にも彼なりに考える人生プランがあるようですが、他のOBスタッフ同様、これからも応援してゆきたいと思います。

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本日、快晴の空のもと「コートテラスの家」が上棟しました。
躯体が見えるなり、思わず声を上げました。本当に美しい躯体です。

上棟した姿を見ると、我が子が誕生したようにいつも感じます。そしてこう思うのです。「やっぱ、うちの子がいちばん可愛いな!」と。ただの親ばかですね。

子どもは生まれたときに全て備わっているといいますが、住宅の上棟にもまたそう思います。上棟には全てが備わっている。これまでの軌跡も、そしてこれからの道程も、すべてここには折り込まれているのです。まだそれが目には見えないというだけで。

だから美しいのだと思います。何もないけれど、すべてがある。

子どもの成長を願いながらも、いつまでも子どもであって欲しいと願う矛盾した親の気持ちを、私はつい上棟した純粋な躯体に重ねてしまうのです。

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私が独立して初めて設計した住宅「ILMA(2003)」も竣工して10年が過ぎ、昨年よりキッチンを中心とした改修の相談に乗っていました。それが本日ようやく完了です。エークラフトの伊藤さん、今回も素晴らしい施工をありがとうございました!

ILMAはわずか13坪の敷地に建つ、私の大学の友人の家です。その狭小ぶりも、飛び抜けたローコストも、当時の私にははじめてのことばかりで、逆に怖いもの知らずで突っ走ることができた家でした。

同じく建築を飯の種にする友人との設計議論が盛りあがったせいもあるかもしれません。痛い思いや危ない思いもいっぱいしましたが、ILMAは無事完成し、私にとっては初期の代表作となりました。この住宅ができたおかげで、私も少しは設計で食べていけるようになったとも言えるかもしれません。


さてそんな若気の至りで突っ走った家でしたから、クライアントの友人も住みこなしにはずいぶん苦労したと思います。でも一度もクレームらしいクレームをもらったことがありませんでした。それには本当に友人に感謝しているのです。

そんなILMAも改修の時を迎えました。私もその後いろんな設計の経験値を蓄え、友人夫妻も同じように歳を重ね、子どもができ、そんな今だからこそ考えられるキッチンの形やライフスタイルを、また十数年前のあの時と同じように膝を突き合わせて何ヶ月も打合せを重ねてきました。


・・こんなことを言ってはなんなのですが、もう今となってはこういう小さな改修仕事をうちの事務所では請けられなくなっているんですね。実際スタッフは手一杯で、こういう仕事に担当をつけることができません。

だから今回は私がすべて一人でやりました。図面もすべて私が描いて、打合せも、現場も一人で通いました。そう、だからあの時と同じなんです。正直家具図を自分で全て描いたのは久しぶりですよ。ちょっと楽しかったですけどね。


できあがってみて、やっぱり感慨がありましたね。
あれから10年。そして、この先10年。

あと10年もしたら、娘さんも家を出て行くかもしれないな。そうしたら第三期計画がはじまるのかもしれない。そうやって永く住みつないでいってもらいたいなあと思います。

なんといっても、この家は私にとってはじめての家なんですから。もう何十件も設計してきましたけど、この先も何十件も設計してゆくと思いますけど、はじめての家はいつまでたってもはじめての家なんです。

下は当時との比較写真。
若かったねえ!でもやっぱキミ、今の方がいい顔してるよ。


このたび、建築専門誌『建築知識』さんの同行取材でプレカット工事に行ってきました。現在、ちょうどとある現場の密着取材を受けているのですが、その流れで「プレカットは果たして工場でどう刻まれるのか?」という話になり今回の取材となりました。

エクスナレッジ社の誇るデコボコ・・もとい名コンビ、西山&峯山さん(以下N&M)、機会を作って下さりどうもありがとうございます。

行き先はポラテック板東工場。泣く子も黙る日本最大の、というか世界最大のプレカット工場です。もう行く前からわくわくが止まりません。

さて、住宅の現場では上棟前に必ず木組みのプレカット打合せがあります。

今どき手刻みの現場はほとんどなく、上棟と言えばプレカットが常識となって久しくなりました。プレカットとは昔は大工さんがシコシコとノミで削っていた仕口を機械加工で済ませる技術のことです。「ルーターをぐるぐるっと回して仕口を作るんでしょ?」とイメージとしては設計者は皆理解していると思いますが、実際に工場でその様子を見た人はどれほどいるでしょうか?

ということで行ってきました。
では特別に、そのプロセスをここでご紹介したいと思います!


ああ~っと!ここでN&Mよりストップがかかってしまいました。
なになに?「続きが知りたかったら、3月売りの建築知識4月号を買って下さい」って?ケチ。ちょっとくらいいいのにねぇ?

でも、ここで逆らうとN&Mに干されてしまいますので、大人しく従うことにします。でも特別にお許しを得て1枚だけ。


プレカット工場の中にも大工がいるって知ってました?

機械では対応できない細かい仕口や細工は、結局は人の手で刻まれることになります。よくプレカット打合せで出る「じゃあ、そこは手刻みで」という合言葉は、私は長らく「現場で対応する」の意味だと思っていたのですが、プレカット工場の中に手刻みの専門工がいたとは知りませんでした。

でもそれって、ちょっと痛快ですよね。結局は手刻み、と聞くと人はなぜか安心するものです。でも今回の工場見学でプレカットの見方がずいぶん変わりました。これはもう人智の結集というか、それは近未来の物づくりの風景を見ているようであり、大変刺激を受けました。おそらくそう遠くない未来には、手刻みでしかできない領域は相当狭くなっていることだけは確かです。そのくらいスゴいんですから。

機械でできるものは機械で、できないものは手刻みで。
顧客の要望は確実に形にしてみせる。

「できないなんて言わせない」とキッパリと言い放った品質技術課長のお言葉が実に心強く、カッコ良かったです。(そして頭の中ではNHK「プロフェッショナル」のテーマ)

他にもずっとプレカット業者の方に聞いてみたかったことを、根掘り葉掘り質問させて頂き、収穫も多く大満足の一日となりました。

詳しくは3月売りの「建築知識(エクスナレッジ)」4月号にて。こちらには、我々リオタデザイン設計による3月竣工予定のFP(S邸)の実施図面解説と、実際の現場プロセスも図解入りで掲載される予定です。(こちらのプレカットもポラテックさんです)

最後に、快くご対応くださいましたポラテックの畑中さま、下山さま、ポラスの青柳さま、どうもありがとうございました!N&Mさん、現場取材も引続きよろしくお願いします。