私はすでにコンビニには財布を持って行かなくなっている。腕に巻いたApple Watchさえあれば全て決済できるからだ。従ってお昼は手ぶらでコンビニに行き、レジでピッとやって帰ってくる。

ところがだ。ところがである。

レジにお弁当を持っていくと次にはこう聞かれる。「Tポイントカードはお持ちでしょうか?」

持ってるけど、今はない。だって私は手ぶらだし。このわずか数ポイント獲得のためにカードを持ち歩くということがすでに煩わしいわけで。

「いや、ないです」と答えると、次にレシートを差し出される。私はここでも「あ、結構です」と答えざるを得ない。だって手ぶらだし、ポケットに丸めたレシートを突っ込むのも忍びない。そもそも全てアプリに記録が残るわけだし。

すると今度は、店員さんはお弁当を温めている間、お箸やプラスチックフォークや、お手拭きなどを用意し始める。しかし私はいつも持ち帰るので、こうした類は一切いらない。

だから私はここでも「あ、いらないです」とお断りを入れることになる。たまに断るタイミングを逃すと気まずくなって「まあいいか」となり、結果として使わない無駄なプラスチックフォークは家にどんどん溜まる一方となる。

とこのように、コンビニには(少なくとも私には)必要のないものが溢れている。Tポイントカードの提示が求められ、レシートを渡され、お箸やフォークやお手拭きまでもが用意される。至れり尽くせりではあるが、毎回そうした申し出を断るというのも面倒くさいというか、正直ストレスだ。

ところがだ。ところがである。

たびたび書いているように、私は手ぶらである。だからTポイントカードも持っていないし、レシートも受け取らない。そんな私に唯一必要なものは何か?それは「レジ袋」なのである!

そのレジ袋を毎回3円で買わなくてはいけないという矛盾。手ぶらでコンビニに行きたいのに、毎回エコバックを握りしめて行かなくてはいけないという矛盾。

ちがう、それじゃない。フォークじゃない。お箸でもお手拭きでもないのである。

昨晩はフィンランド在住時代からの古い友人であり、書籍『世界からコーヒーがなくなるまえに』の翻訳者でもあるセルボ貴子さんのオンラインセミナーに参加させて頂きました。

コーヒー豆が適正価格で取引されたり(フェアトレード)そこに関わる業界や労働環境が改善されることで、生産者の生活も保障され、過剰生産を抑えることができる。それが環境負荷を抑え、結果としてずっと安定して良質なコーヒーを生産し続ける(サステイナブル)ことが出来るという、そんな骨子の訳書の内容に触れた良いお話でした。

ご興味ある方は二回目以降もありますので、是非こちらをチェックしてみて下さい。

オンラインTAUKO|フィンランドから環境問題を考えよう
https://sustainablefinland-hokuotravel.peatix.com/


コーヒーは私も好きで毎朝豆を挽いて呑んでいますが、こうしたコーヒーのみならず、建築では製材(林業)の問題なども同じようにあります。安い輸入材に押されて国産材が衰退し、という問題は語られてすでに久しい状況です。

私は必ずしも輸入材が良くないという立場は取っていませんが、なにごとも生産者の顔が見えたり、「フェアに」取引されることが重要なのだと思います。

これは材料の問題だけではなく職人さんの問題もありますよね。こちらも高齢化や継承者問題でどんどん職人さんの数が少なくなっています。それこそ何十年後かには我々の設計を施工できる職人さんはいなくなってしまうんじゃないかという、リアルに『世界から職人がいなくなるまえに』という問題も起こりつつあります。

一方で我々は建て主さんの”金庫番”でもあるので、全体のコストコントロールにも骨を砕く必要があり、なんともバランスが難しいところですが…。


ところで近年良く聞かれる「サステイナブル(持続可能性)」という言葉について、皆さんどういう理解をお持ちでしょうか。

この言葉はもう20年以上前から建築の世界でも言われ続けていますが、若かりし当時、私は何のことだかさっぱりわかりませんでした。環境問題でよく出てくる「サステイナブル=エコ」みたいに言われることが、頭の中でうまく結びつかなかったからだと思います。

今ではなんとなく肌感覚で分かります。要は「無理をすると続かないよ」ということなんでしょうね。仕事でもそうですよね。職場環境が自分のリズムや感覚に合っていないと、ストレスが溜まって長続きしません。人間関係もそうですよね。

お金がすべてではないとはいえ、お金があまりにカツカツではやはり長続きしません。長続きの秘訣は、私は「自然体であること」なのだろうと思っています。私が北欧で学んだことをひとことで言えば、そのことに尽きます。

何事にも自然体であり続けることって難しいし、努力がいることなんですが、自分自身が自然体であり続けること、無理をしなくても(させなくても)生活してゆける環境をつくることが、サステイナブルな社会を作ってゆく第一歩なのだろうと今では思っています。

昨晩は貴子さんのそんなお話に耳を傾けながら、そんなフィンランドでの日々にも思いを馳せたのでした。

20. 07 / 03

戸建ての郊外化

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sekimoto

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> 仕事
> 思うこと



敷地調査のため鎌倉へ。例えば道すがらのこの感じ、ザ・鎌倉という風情にテンションが上がります。

緊急事態宣言下のGWに、都内で土地探し中とのことでご相談を頂きましたが、最後に「ちなみに鎌倉とかもアリですかね」とこぼされたことが現実になりました。

この週末には、やはり緊急事態宣言明けに小田原に土地を決めた建主さんとの設計打合せがはじまります。

テレワークが定着しはじめ、都内にしがみつく理由はもはやなくなってしまいました。戸建ての郊外化は、今後もっと拍車がかかることでしょう。総予算の過半を土地に持っていかれる理不尽とも、もうおさらばです。

問題は、事務所から現場がどんどん遠ざかってゆくことです汗


パナソニックさんご提供の「A STEP」という番組に、川越のFPという住宅の建て主さんが出演されたことを以前書きましたが、この取材は実は二段構えになっていて、別取材で今度は以下のサイト用に、その”暮らしぶり”について取り上げて頂いています。

私のいいくらし
https://sumai.panasonic.jp/sumu2/iikurashi/mini/

今日(7/1)現在、まだ#012までしか上がっていませんが、#014にこのFPの建て主さんバージョンの動画がアップされる予定とのこと。先行して、YOUTUBEチャンネルの方にこのフルバージョンが公開されているようですので、こちらのリンクを張っておきます。ご興味ある方は冒頭リンクよりご視聴下さい。

それにしてもご主人の堂々としたご説明もさることながら、いつ見ても仲が良くて本当に良いご夫婦だなあと思います。Sさん、取材のご協力をありがとうございました!

FP (2015年竣工)
https://www.riotadesign.com/works/15_fp/#wttl



最初の数日で申し込みが200名を超えたところからはじまった野地木材工業さんのオンラインセミナーが無事終了。最後は申込者数が450人くらいまで伸びましたが、最終的な参加者は300名程度だったようです。

ZOOMは慣れてはいるものの、顔の見えない受講者に届く話はなんだろうと、いつもとは全く違う話の構成で臨みました。どうだっただろう?反応が見えないので良くわかりませんが、そこから伊礼さん、小谷さんと話がつながり、尻上がりに盛り上がってゆきましたね。

これ、多分私や小谷さんだけじゃダメだったなと改めて思いました。やっぱり伊礼さんの存在感と芯の座り方はさすがで、横綱相撲を見せられているようでした。

そして小谷さんの軽妙に場を盛り上げてゆく感じもさすが!こういう時関西弁はずるいな〜。一緒に行った北欧旅行の話も引き合いに出して、なぜ小幅風羽目板なのかというオチまできれいに決めてくれました。

最後のディスカッションも楽しくて、あと1時間くらいはできましたね。その後の反省会も流出するとヤバい話がてんこ盛りでした。ここ数週間はとても楽しみな気持ちと、不安とが交互にありましたがこれでぐっすり眠れそうです。

最後にこの写真。伊礼さんの真面目な話を、神妙な顔でふざけた背景で聞く小谷さんというこのシュールな構図。この日を象徴している一枚です笑。野地木材さん、楽しい時間をありがとうございました!