<ワークショップ・5日目(最終日)> 8月11日(木)

5日間に及ぶワークショップもいよいよ最終日となりました。今日は各班のプレゼンテーションです。

お昼過ぎに大学に行くと、既にぐったりした学生達が笑。昨日は大学の計らいで泊まりが許されたようです。数時間の睡眠の者もいれば、徹夜の者もいたようです。皆さん本当にお疲れさまでした!

我々の成果もいよいよお披露目です!




タイトルは「ふとん空間の拡張」、、だそうです。
前の日にはタイトルが決まらず悩んでいましたが、そうですか、そうきましたか笑。

ちょっと現実逃避したいときなど、布団を頭からすっぽりかぶりますよね。このシェルターはそんな利用者の安心感を担保する”ふとん空間”を表現しているようです。

ちなみに私の中では”ダンゴムシ”です笑


このシェルター、とても画期的な構造によってできています。まず”帆”を張った竹を弓形に絞ってテンションをかけます。弓が何本も折り重なったような形状となります。


これを起こしてゆきます(パタパタ)。
すると…





このように、一瞬にしてシェルターができあがるという仕組みになっています。

非常時のために、倉庫にこのような弓なりの部材を(もしくは中央のテンション部を外してまっすぐに伸ばした状態で)倉庫に保管しておけばかさばりません。

キャンプのテントなどと違って、難しい組み立てなどせずに一瞬で形が出来上がるということ、そして軽いので女性や子供でも持ち運びが可能だということも売りの一つです。

材料も、今回は竹と伸縮生地を使いましたが、布などは家庭のシーツなどでも転用が可能です。製品化するとしたら今回は竹で作ったアーチ部材を他のバネ鋼などに置き換えたり、生地もマグネットで挟み込むなんていうのも簡単で良いかもしれません。もうちょっとパーツ構成を工夫すれば、十分に実用化できると思います。

ちなみに端部のディテールはこんな感じ。



またこれも学生のアイデアですが、この構造を半分開けた状態で保持したいときなどは、このように重りをつけて半開状態にすることも可能になっています。これなどは屋外でのピクニック、プールサイドなど日除け代わりに使いたいときなどにも重宝しそうです。


他の班の先生方も興味津々で中に潜り込みます。このシェルターは中に入ると、また別世界があるんですよね。他の先生方からも高い評価を頂きました。

改善点を挙げるとすれば、やはり構造(竹)と布とを密着させるディテールでしょうか。今回は短期間のワークショップであり、道具や技術にも限界があったので、両面テープで張り付けるという単純な解決にしていますが、この辺りはいくらでも改善の余地はありそうです。



ここからは他の班の作品の紹介です。

A班(指導:山中新太郎先生)
100円ショップのビニール傘を使って、天井から吊すシェルター。
傘の骨を活かした秀逸なディテールと、コストパフォーマンスが魅力(原価5000円)


C班(指導:鹿内健先生)
トイレットペーパーを重ねて作るシェルター。
避難物資のトイレットペーパーに着目。使い終わった頃に避難所生活も終了!?


D班(指導:遠藤克彦先生)
養生用のプラ段を使ったシェルター。
上下にも伸び縮みをします。単純なシステムで形が自由に変えられるのも魅力。


それぞれの解説まで書き始めると大変なので割愛させてもらいますが、どれも細部まで本当によく考えられていました。とにかく力作揃いで、素晴らしい作品ばかりです。

今回は各班ごとにチームで製作をするという方針だったため、皆力を合わせて今回のように一人では出来ないようなものを作り上げられたというのは、大きな収穫だったと思います。彼らも勉強になったと思いますが、私自身も今回は本当に興奮する体験をさせて頂きました。


最後に我がチームの紹介です。

右から、
堀元悠雅/石曽根斐子/古泉紫帆/山﨑理瑛/内田春菜/木村愼太郎/田村隼人/弘世蓉子/大野史織

リーダー田村くんを中心に、とても仲が良く活発なチームでした。私がいないところで、みんなで良く話し合いをしていましたね。最高のチームワークでした。

私もつい言い過ぎてしまう癖があるので、今回はかなり抑えた方でしたが、それでも後半は自分がやりたくてウズウズしていました。実際ずいぶん手も出してしまいました笑

作業中は私も声をかけづらく、本当はみんなともっと個人的に話をしてみたかったなぁと思います。最後の打ち上げで、ようやくみんなと打ち解け(遅い?)腹を割った話ができたのは良かったです。


また過去の私の教え子である大野さんが参加してくれたり、同じく過去のとある教え子の妹であることを最後の最後に打ち明けられたりと、嬉しいサプライズもありました(先に言ってよ!)。

このワークショップについてブログに書いていることを、学生には途中から打ち明けたのですが、みんな思いのほか喜んでくれたので、きっとこの回も読んでくれていることでしょう。

本当にお疲れさまでした。君たちとチームが組めて私は幸運だったと思います。終わったらもう少し解放感があるものかと思っていましたが、今はちょっと寂しいです。

皆さん、良い夏休みを!また大学で見かけたら声をかけて下さいね。


”チーム関本”

<バックナンバー>
日大デザインワークショップ~その3
日大デザインワークショップ~その2
日大デザインワークショップ~その1