16. 01 / 18

家族の器

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sekimoto

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> 思うこと



先週末、売りに出されている「川風の家」の特別内覧会を開催させて頂きました。タカギプランニングさんの主催により、今回は購入希望者向けに開催した内覧会でしたが、リオタデザインのクライアント(OB&進行中)も多く駆けつけて下さり、いつも通りの大変賑やかな内覧会となりました。

おかげさまで終始和やかな雰囲気に包まれたイベントとなりました。
ご来場下さった皆様、誠にありがとうございました。

肝心の購入希望者ですが、検討中の方が数組という状況で、まだはっきりした買い手はついておりません。引続き入居希望者を募集しておりますので、ご自身や、あるいは周囲に家を探している方などがいらっしゃいましたら、是非ともご検討並びにご紹介頂けますと幸いです。

関連記事: 『川風の家』 が売りに出されます (15.12.23付ブログ)



さて、当日は私も多くの方にこの家の魅力について説明(力説?)させて頂きましたが、あらためて当時の設計ながらによくできた家だなあと感じました。設計者の私が言うのもなんなのですが…。

このブログをご覧の方は、うちの作品ページから入ってゆくと当時の竣工写真を見ることができますが、私も久しぶりに訪れましたが、竣工当時よりもとても家らしく、愛らしい佇まいになっていると感じました。やはり住宅というのは、「家族の器」なのだなとあらためて思いました。

購入検討者には、クライアント自らいろいろこの家の住み心地や、使い勝手やご近所付き合いのことなどを熱心にご説明されていましたが、それらに片耳を傾けていると、どれだけこのクライアントがこの家を愛してやまないかが伝わってきて、私は内心切ない思いでいっぱいでした。それはまさに、我が子を里親に出すような思いなのだろうと思います。

ここまで愛されて、この家も幸せだったろうと思います。次に住み継いで下さる方は、是非ともこのクライアントと同じくらいの愛情をこの家に注いで下さる方であって欲しいと願うばかりです。



実はこの日は内覧会の前に、アサイチで新座市に去年竣工した「はねだしテラスの家」の竣工写真撮影があり、そちらにも立ち寄らせて頂きました。

うちは竣工写真撮影はなるべくご入居後に行うようにしているのですが、それは前述のように、住宅は「家族の器」であるという考えがあるからです。

生活感が出てしまってすみません、とこの日も冒頭にクライアントから謝られてしまったのですが、まさにそれが私の狙いなのです。そして案の定、こちらの思惑通りにとてもイイ感じに室内空間も”育って”いました。

で上の写真。カメラマンさんが外を撮りに行ってしまったので、その間ご家族で団らんをされているシーンを隠し撮りしちゃったのですが、なんだかとってもいいなあ、とにんまりしてしまいました。

ご家族にしか醸し出せない空気感、そして壁に貼ってあるお子さんの絵も素晴らしいですよね。もうこれは建築家がデザインできる領域じゃないのです。幸せの光景とでもいうのでしょうか。

「川風の家」にも、そこかしこにそんな光景がありました。大切なのは建築ではなくて家族なのです。けれども、大切な家族が幸せに暮らせる器は、やっぱり幸せな器であって欲しいとも思います。そこにこそ我々の仕事の本当の意義があるのだろうと思うのです。

そんなことを感じた一日でした。
なんだか嬉しいような、切ないような、そんな一日でした。