12. 07 / 19
デザインの輪郭
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sekimoto
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デザイナー深澤直人氏の「デザインの輪郭」という本を読んだのは,どのくらい前だっただろう.当時衝撃的なくらい私にとっては面白く,目から鱗が何枚も落ちた記憶がある.
例えば深澤氏の言葉に「行為に溶けるデザイン」というのがある.
著書の中で,氏はデザインについてこう語っている.
『壁と平行に床に引かれたタイルの目地のような溝は「傘立て」であり,その「傘立て」は行為の流れの中に溶けてしまっている.その用意された配慮の機能の意味は,そのものを見た時にはわからない.むしろ意識せずに流れている行為の中で,急に立ち現れてくるものである』
それを読んだ時,ほんとうにその通りだと思った.自分が日常の設計行為の中で無意識にいつも考えていることが,はじめて意識化されたような気がした.実際私のホームページの「設計ポリシー」には,自分の仕事について「人の流れを考え,行為のぼんやりとした輪郭を整える」と書いている.この「行為の輪郭を整える」という考え方が,深澤氏の言う「デザインの輪郭」という言葉の意味するところとも深くリンクしている.
最近何気なくこの本を開いたら,薄ぼんやりとしていた記憶が蘇って,再び深い共感と共に読み返している.そしてその言葉の断片は,あの時読んだ時よりももっと自分にとって肉体化された言葉として感じることができる.
デザインは形ではなく,やっぱり空気なのだ.
12. 07 / 09
設計の授業
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sekimoto
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構造や環境が大嫌いだった僕は、毎日設計課題だけをできればどんなに幸せだろうと思っていた。大人になった今、毎日設計だけをしていれば人に喜ばれ、感謝され、お金をもらえる仕事に就いた。学生時代思っていた以上に、毎日が楽しく幸せだ。
自分のやってることに努力なんて言っているうちはだめだ。努力なんていらない。好きなことを、好きなだけやってれば幸せになれるよ。
12. 07 / 04
東電に思う
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sekimoto
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そういう話を聞く度に,その通りだと思ったり,本当にそうなの?と思ったりする.僕にはどこまでが本当で,誰を信じれば良いのか正直よくわからないのだ.
でも,少なくとも今日事務所に来て下さった東電社員さんは悪い人ではなかったし,徹底した合理化で支社の経費は極限まで削られているようだった.給与も減らされ,お子さんには親が東電社員であることを口外しないよう言い含めているという.我が子が無用ないじめを受けないようにだ.
目の前に座っている東電社員さんには何の罪もないのに,大きな罪の意識を抱え頭を下げてまわっている.僕はこの人を前に,大上段に振りかざした正論を吐くことなどできなかった.
個人的な感傷を原発問題に持ち込むつもりはないけれど,東京電力という巨大企業を支えているのは,我々と同じように家庭を持ち,社会貢献を第一に考えている真面目で誠実な社員たちなのだ.少なくとも僕は,東京電力という企業というより,そこで働く人たちを心から応援したいと思う.
12. 06 / 27
ルイスポールセンとLED
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今日はルイスポールセン主催のライティングセミナーへとお邪魔してきた.
ルイスポールセンと言えば,PH5をはじめとした数々の名作照明を生み出してきたデンマークの名門照明ブランド.今日のセミナーでは,ルイスポールセンの照明を用いた美しい住宅事例などのスライドを数多く見せて頂いた.
僕は個人的に聞いてみたかったことがあった.それは昨今の白熱灯を全廃しようとする動きについてだ.というのも,ルイスポールセンの光の原点は白熱灯の光であり,それが安易に本質的に配光や演色性の異なるLEDや蛍光灯に変わることはないだろうし,できないだろうと思っていたからだ.
ところがそんな僕の質問に担当者はあっさりと答えてくれた.
「たとえばこれは蛍光灯です.それ以外の照明も,ここにあるほとんどの照明には既にLEDが使用されています」
愕然とした.かつては白熱照明の代名詞でもあったショールームの名作照明のほとんどには,既に白熱灯ではなくLED電球が使われていたのだった.言われるまで全く気づかなかった.そのくらいLEDの技術水準も上がってきているのだ.わかっているつもりだったけれども想像以上だった.どうやら遅れていたのは完全に僕の方だったようだ.
僕も住宅の設計では,今ではほぼLEDに移行しつつある.でもまだ信用していない部分もある.例えばペンダント照明の調光機能など,白熱でなくてはできない演出の領域もまだ多いからだ.単に省エネという名の下に白熱を全廃しようとする動きには,僕は断固として反対だ.
ところが唯一の拠り所であったルイスポールセンにも賛成票を投じられてしまった.まさかルイスポールセンにLEDを灯す時代が来るとは思わなかった.この日は僕にとっての照明に対する考え方の,ひとつの転換点になったような気がする.
12. 06 / 15
いいね!と建築
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[/caption]建築家・西沢立衛氏の建築は軽やかだ.西沢氏の建築を見ていると「今」という時代をひしひしと感じる.西沢氏の建築には形がない.空気にただ輪郭を与えただけのようにさりげない.それが今という時代に通じているように思えるところなのかもしれない.
Facebookでは「いいね!」のワンクリックで,会ったことのない人とも簡単につながることができる.立場や年齢を越えて「お友達」になれる.「いいね!」は精神的に深くつながるような同調ではない.入り込みすぎず,体重は気持ち後ろに,常にボランチ的な立ち位置でフィールドと関わろうとする.西沢氏をはじめとした現代の主流をなす建築の考え方には,この「いいね!」感覚がある.
建築家は常に形を作ることを求められる.90年代を牽引した磯崎新氏は「いくら批判されても建築家は形を作らなくてはいけないのだから,これ以上簡単な形はないというものならいいのではないか」と単純な幾何学だけで建築を作ろうとした.
けれども,磯崎氏が作った□と西沢氏の□は,本質的にその意味が異なるような気がする.刺し違えるのではなく,半身交わしてそこに佇む.そこにあるけれど,そこにはない.まるでバーチャルな世界に投稿されたツイートのように.
僕はアールトも好きだけれど,そんな西沢氏のような建築も好きだ.
ただどのくらい好きかと問われれば,「いいね!」というくらいではあるけれども.
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