世の中は平等に出来ていて、すべての人に均等に機会があると思うだろうか?

でも実際には世の中には「運が良い人」というのは存在していて、同じように努力しているのに、ある人はするすると上に行き、ある人は取り残される。あいつはいいな、ずるい。そう思うだろうか?

この建築の世界は才能がうごめく世界だ。そんななか独立して仕事をする人たちは皆才能の塊だと思う。でもそんな中でも頭一人抜けた活躍をしている人というのはいて、その人は何が違うのか見ていると、みんなひとつの共通点に行き着く。それは圧倒的な人脈の広さと、それを引き寄せる気さくな性格の持ち主であること。一緒にいて楽しくなる人のまわりには人が集まるのは必然だろう。

一方、思うように結果が残せない人にも共通点があって、それは一見人当たりが良いのだけれど、どこか秘密主義だったり相手に心をひらかない頑なさのようなものがあること。そのどこか心に鍵をかけたような近寄りがたさは、その場限りの人付き合いを引き寄せ、結果としてその人は孤立しやすくなる。

これまで様々な団体に首を突っ込んできて、会報誌の編集長やセミナー企画の立案などいろんな役回りを経験してきた。次の講師は誰に頼もうか、これは誰に寄稿をお願いしようか、次はどなたの活動を取り上げようか。そんな会議の場で、企画者たちは名簿の上から順に頼んでいくようなことをすると思うだろうか?

実際には違う。人は一瞬で決まるのだ。「この人が良いと思う」誰かが声を上げる。みんなの頭にその人の顔や活動がふわっと浮かぶ。詳しくは知らない、けれど面白そう。「いいと思う!」それで決まることがいかに多いことか。人選は意外なほどに恣意的。公平性もへったくれもない。

そこで爪痕が残せれば、次からは”その人”という名のショートカットができあがる。人選の基本は「一人は冒険、一人は安定」。その安定枠に入ればその人のエスカレーターは約束される。指名される人は指名され続ける。

「カネがあればなんでもできる」そんな台詞がドラマなどで出てくることがある。でも実際の社会では聞いたことがない。それは真実ではないからだ。それは魅力ある人のもとには人が集まり、機会は集中し、結果として財をなす(こともある)という循環を表現したものにすぎない。

「ヒトがいればなんでもできる」人さえつながれば黒が白くなることも、横のものが縦になることだってある。ずるい。そう思うだろうか?けれどそれが社会の真実。人とのつながりがすべてなのだ。