
昔から不思議な住宅を作り続けているニコ設計室の西久保さん。住宅にかじりついて活動を続ける同世代の建築家の中でも、作風はまったく違うけど活動の根っこにどこかシンパシーを感じる建築家のひとりです。
そんな彼を私は勝手に“住宅界のファンタジスタ”と呼んでいるのですが、実際にお会いするのは何年ぶりのことだろう?
優れた設計者の持つ能力には、ドリブル力と決定力があると思うんですね。彼の住宅にはそれを強く感じます。ドリブル力は自陣で受けたボールを、そのまま相手陣内深くまで持ち込む力。これは単なる御用聞きではだめで、最初の言葉(彼ならつぼノートでしょうか)を独自の解釈で展開させてゆく構築力(妄想力)が試されます。
決定力はゴール前に転がったボールを確実に決める嗅覚のこと。建主からの言葉は、どんなわがままも彼にとってはきっとおいしいキラーパスになるのでしょう。ゴール前にこぼれた言葉に「あとは合わせるだけでした」。そんな言葉が、会場のどの模型からも聞こえてくるようでした。彼を私がファンタジスタと呼ぶ所以です。
彼の卒業設計も「これは俺のか?」というくらい同時代性を感じて嬉しくなりました。でも彼がすごいのは学生時代から1ミリもぶれていないということ。こんなにも同じことをやり続けている人がいるんだと驚きました。
短い時間でしたが、そんな彼の卓越した建築力や仕事力を感じつつ、楽しいニシクボワンダーランドを堪能させてもらいました!今日はぎりぎり行けて良かった。ご案内ありがとうございました♪
「それはあなたの言葉から」
会期は今週土曜日(10月19日)まで!
https://www.instagram.com/p/C_Hvgf5y3lc/?igsh=b2xpODl0Z3NvaW96



