昨日は今年度部会長を務めるJIA住宅部会の企画として、多摩産材見学会を実施しました。部会員を中心に16名ほどのメンバーがご参加下さいました。

日頃木造住宅を扱う設計者でありながらも、その産地である山にはなかなか足を運ぶ機会がありません。「多摩産材」と名が付くように、東京都内にもちゃんと山があり、あきる野市周辺の山から採れる良質な木材があるということはあまり知られていません。この日は中島木材店さんのご協力のもと、そんな貴重な見学や体験をさせて頂きました。


この日は秋から一転して冬のような寒さと雨に祟られてしまいましたが、バスをチャーターしたおかげもあって、行程はとてもスムーズでした。

都内唯一の原木市場である多摩木材センターには、広い敷地内にうずたかく切られたばかりの丸太が積まれていました。製材された柱材などを見ることはあっても、製材前の丸太を見る機会はそう多くありません。切り口に顔を近づけると、とても良いヒノキの香りがしました。




その後も、中島木材店さんの製材行程を一通り見学させて頂きました。
中島木材店の社員さんがそれぞれをとても細かくご説明下さり、知られざる製材行程をよりリアルに理解することが出来ました。

中でも乾燥工程がクオリティを大きく左右するとのこと。スチームを当てて乾燥させるなど、そのノウハウもとても興味深く、部会員からも矢継ぎ早に質問が飛び交いました。




昼食の後は、檜原森のおもちゃ美術館、瀬音の湯といった、多摩産材を使った公共施設のいくつかも見学させて頂きました。

当たり前のことですが、我々が「杉」「桧」と樹種名で指定している木にも、そこには産地があり、林業家や製材所など多くの人たちの手を経て我々の現場に届けられています。

頭ではわかっているこうしたことも、現地に足を運ぶことで、よりリアルに実感に落とすことができるというのは、今回の大きな収穫だったように思います。

中島木材店の皆さま、また今回主査を務めて下さいました高橋隆博さん、ご手配を誠にありがとうございました。スタッフも含めてとても勉強になりました!