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sekimoto

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私が内装設計をさせて頂いた吉祥寺のカフェmoiは惜しまれながらも2019年10月に閉店した。ただその後、年が明けてからのコロナ騒動を考えると、表現が難しいけれど「タイミングが良かった」と言わざるを得ない。

年末年始は「moi参り」と称して、家族でお店に訪れるのが恒例行事だった。お店がなくなり、吉祥寺に足を運ぶ口実がなくなってしまったのだけれど、久しぶりに吉祥寺に寄ったのでお店の前を通ってみたら、日本茶を出す素敵なお店になっていた。

客を装って(ていうか客なんだけど)中に入ると、一部の作りは微妙に残しながらも、ほぼ面影なくきれいに作り替えてあった。少し寂しくもあり、でもとても感じの良いお店だったので、志が継承されたような気もして救いを感じた。

思えばカフェmoiのコンセプトは「まちの茶室空間」だった。コーヒーが日本茶になり、moiのあった場所は、よりリアルな”茶室空間”になったというわけだ。

久しぶりに歩く大正通りは、嵐の後のように多くのお店がなくなり、ガランと空いたテナントが目立った。間違いなくコロナの影響だろう。多くの北欧好きと吉祥寺ファンに愛されたカフェmoiが、コロナではなく自らの意思でこの地を去り、美しく思い出を残したことは不幸中の幸いだったと思う。

○当時のカフェmoi閉店を惜しむページ
https://kichifan.com/2019/10/02/cafemoi_closed/

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