誰しも心象風景というのがあると思う。あれはどこで見た景色だっただろう?けれども思い出せず、あれはもしかしたら夢だったんじゃないかと思う。
昨日は連休の初日、道は大渋滞。こんな時Googleのナビは頼もしい。手段を選ばず、土手の上をひたすらに走らせる。そのうちここはどこだろう?という田舎道に入り込み、気づけば昔住んでいた町の近くだった。
懐かしい。けれども当時の記憶もあやふやだ。そうそう、この近くにも友達が住んでいたっけ。もう30年以上も昔の話だ。そんなことを思いながら感慨深く通り過ぎる。
車がもはや見覚えのない市境に差し掛かろうとしたときだった。思わず「あっ」と声が出た。ここは見たことがある気がする。この桜の木!違うかな。
車を停めて確かめる。でも確かこんな感じだった。まだ小学校にも上がらない幼い頃、隣町の児童公園に行った時の記憶だ。そこには自分以外にも何人か子供がいて、結婚前の叔母もいて、けれども親はそこにはいない。
それってどんな状況?と思わず突っ込んでしまいたくなるけれど、そんな道すがらにここで休憩をしたのだ。それをなぜか幽体離脱したような俯瞰的な視点で私は見ている。さして意味があるとは思えないそのシーンが、その後も何故か幼少期の記憶の一部としてフラッシュバックする。無性に懐かしく、切なくなるシーンとして。
地図を見て鳥肌が立った。そのすぐ近くにその児童公園があった。やっぱりそうだ、ここを通ったのだ。遠い昔に見た映画の世界に潜り込んでしまったような、不思議な感覚だった。
「となりのトトロ」はメイとサツキが田舎町でトトロに出会う話だ。トトロは大人には見ることができない。大人になったメイやサツキも、やはりトトロを見ることはできなくなるのだろうか。
次に通った時には、桜の木はもうないかもしれない。
category
STAFF (91)
建築・デザイン (267)
仕事 (621)
思うこと (258)
子ども (69)
遊び (11)
イベント (107)
生活 (250)
社会 (125)
メディア (178)
はまりもの (47)
NEWS (7)
大学 (57)
未分類 (6)
旅行 (38)
OPENHOUSE (84)
弓道 (6)
タニタハウジングウェア (19)
北欧 (93)
告知 (35)
温熱 (11)
建て主アンケート (3)
AALTO (32)
ディテール (13)
設計相談 (4)
オープンデスク (26)
動画 (26)
オンライン (35)
アワード (6)
求人 (5)
家具 (1)
muni (6)