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sekimoto

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人というのは一度便利なものを見つけるとなかなか手放せなくなる。構造材ならベイマツ材。強度の高いベイマツを使えば梁成をひとまわり小さく出来る。階高をなるべく小さくしたい、ロングスパンを飛ばしたいと考えると、おのずと梁材のスペックはベイマツ表記となりがちだ。しかも安いときている。

しかしそれが固定化すると、次は「梁=ベイマツ」なのだと思い始める。天井の懐があってもベイマツ。スパンが短くてもベイマツ。国産材をもっと使っていこうと言っているのに、そろそろ安易にベイマツばかり使うのは卒業しようよということで、今進めている建物では梁と柱をすべて国産の杉材にすることにした。ベイマツにしたい気持ちをぐっとこらえて、梁をちょっと大きめに。

しかし杉と書くだけなら誰でも出来る。セットで必要になるのが性能表示だ。杉を梁に使うならE70は欲しい。そこで性能表示材、JAS製材の話になる。

そこであらためて古川泰司さんと山田憲明さんの対談記事を読み返した(以前はちゃんと読んでいなかった)。ふむふむ。そうやって問題意識を自分の中に落としてから読むとすんなり内容が入ってくる。なるほど、そういうことだったのか。やっとわかった。(理解が遅いんです、、いつも)

それでもいくつか知りたいことがあり、古川泰司さんに直接電話した。考えたら、本の中の人に直接電話して聞くというのは、なんという贅沢だろうとあとで気づく。山田憲明さんにもあとで教えてもらおう。私のまわりには師がいっぱい。古川さん、ありがとうございました!