朝は徳島のアアルトコーヒーさんから取り寄せた深煎りのアルヴァブレンドからはじまる。こんなことを書くと、どんだけアアルトが好きなんだと思われそうだけれど、そうではなく普通に一番美味しいと思うから。もうちょっと言うと、私が一番おいしいと思うカフェモイの岩間さんが淹れてくれるコーヒーがここの豆だという理由もある。

アアルトコーヒーの庄野さんの著書に、オリジナルで作ったコーヒー缶の話が出てくる。私はこのエピソードが好きだ。昔お鍋を抱えて豆腐を買いに行ったように、コーヒー缶を持ってコーヒー豆を買いに来てもらいたい。そんな思いから、イラストレーターの佐々木美穂さんにデザインしてもらい「世界一格好の良い」コーヒー缶を作ったのだそうだ。

コーヒー豆をどう保管するかという話で、私は以前何かで読んだ「豆は冷凍保存に限る」を頑なに信じてその都度冷凍庫にしまっていたが、庄野さん曰く「常温で全然いい」そうで、あれはなんだったんだと思った。

そこでこのコーヒー缶をあらためて手に入れることになった。いつものように、アルヴァブレンドと一緒に注文してようやく手元に届いた。深いコーヒー色の光沢のある缶に、佐々木さんの愛らしいイラストが目を惹く。茶葉を入れる缶と同様に、内蓋が付いている。


豆の袋を開封すると、部屋中にしあわせな香りが充満する。奥さんが部屋に入るなり「いい匂い!」と声を上げる。豆をコーヒー缶に移す。瓶と違って缶だから紫外線の影響も受けない。密閉性も高いから香りも逃げない。深煎りならではの、脂の乗った香ばしい豆の表情が愛おしい。

最後に、庄野さんがなぜ自らのロースターにアアルトの名前を付したのかというエピソードについて。実は別に北欧が好きでもアアルトが好きだったわけでもなかったそう。幼い娘さんを、たまたま気に入って買ったアアルトの椅子に座らせたら泣き止んで笑顔になった。「それはアアルトに魔法をかけられた瞬間だった」詳しくは庄野さんの著書をお読みください。

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>>http://www.aaltocoffee.com

たぶん彼女は豆を挽く(庄野雄治著)
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