本展ではアルテックの貴重なマニフェストの原本が展示されています。これは昨年のヘルシンキ展で撮影したもので、日本展では原則撮影禁止となっています。

昨年ヘルシンキ展でこれを見たときは興奮のあまり卒倒しそうになりました。私はこのマニフェストのポストカードを今でも机の前に大切に飾っていますが、何が書かれているかというと創業理念書みたいなもので、この内容が本当に素晴らしいのです。ちなみにポストカード自体も現在は売っておらず大変貴重なものになっています。


アルテックと言えばアアルトらが中心となって設立した、ご存じの通りアアルト家具を製造販売する会社ですが、そのマニフェストによればそれはほんの一部であり、文化的啓蒙活動、展覧会の企画、出版など多岐に亘る会社の社会的役割があったことがここには示されています。

壮大すぎだろ!とその場にいたら思わずツっこみたくなるような内容にもかかわらず、アルテックはほんの数年でそれを達成してしまいました。

アアルト、アイノ、そしてマイレア邸で有名なマイレ夫人やニルス・グスタヴ・ハルらの描いた壮大なビジョン(夢)がアルテックそのものであるということを、このマニフェストは伝えています。

日本展ではちゃんと日本語訳も示されています。これも地味すぎてみんな素通りしていて歯がゆい限りです。これ本当にすごい資料なので絶対に見て下さい!