さて、今回会場となった書店、ブックスキューブリックさんについても少し書きたいと思います。

今回の会場はエクスナレッジさんが決めて下さったものですが、博多にありながら書店業界では全国にその名を知られる有名書店とのこと。建築で例えれば、鹿児島にありながら全国にその名を知られる工務店、ベガハウスさんのようなものかな?

そのキューブリックのオーナー大井実さんも当日いらしていて、私の著書と引き換えに、ご自身の著書もプレゼントして下さいました。


ローカルブックストアである福岡ブックスキューブリック
http://amzn.asia/2mGswnN

こちらを帰りのフライトでじっくり読ませて頂きました。まだ読了はしていないのですが、すでに心の中では「しまった!」と後悔がはじまっています。

この本、とっても面白くて、できれば行く前に読んでおきたかったです。大井さんの取り組みや志のようなものに触れて、とても共感すると共に、僭越ながら私のこれまでの経歴とも重なるところもあり、事前に読んでいれば当日もっとお聞きしたかったことや、お話ししたかったこともいろいろありました。

またこの日ご案内下さった花山という屋台は、過去には角田光代さんなどを招いてのブックイベントで打ち上げを行った場所とのことで、この辺りのエピソードも著書に書かれています。大井さんの著者との打ち上げを大切にする考えなども読み、なんだか漫然と打ち上げに参加してしまったことも少し反省しています。



以下はちょっとまじめに。
今回あらためて思ったのは、人との一期一会ということについてです。

私もけして人との出会いを疎かにしているつもりはありませんが、またいつでもお会いできる方々とは違い、こうした地方のイベントではその時その場所が全てで、中にはなかなかもうお会いする事のない(かもしれない)関係者も多くいらっしゃいます。

来場者もそうだと思うんですね。私のことをよく知って下さっている方なら、そういう素地の上に私を見てくれますが、そうではない方との限られた時間で、どれだけ相手の心を打つことができるかというのはとても大切なことだと思うのです。

最近はこういうイベントにひっぱりだこになってきて、私はそれをとても光栄なことだと思っているのですが、一方では私が場慣れしてきてしまっているということも、自分の中では問題意識も持ちつつあります。

聞いている方にとっては流れるような話のほうが聞きやすいとは思いますが、例えば大学の授業を聞いていると無性に眠くなるという経験はないでしょうか?時には朴訥な話し方の方が人の心を打つこともあります。

だから慣れって怖いな、と思うのです。これからも丁寧に、足を運んで下さる方のためにも言葉を選び、一期一会を心がけたい。これはもちろん設計においてもそうですね。今回なお一層、そんなことを思いました。

今回のイベントでセッティングに奔走して下さいましたエクスナレッジの皆さま、一緒に登壇して下さいました横関さん、そして会場をご提供くださり、このような気付きを与えてくださいましたキューブリックの大井さんには、この場をお借りして深く御礼申し上げたいと思います。

皆さまお疲れさまでした。そしてありがとうございました。