以前このブログで、元スタッフの山口くんの送迎会を兼ねて、福島のホテル「ホテリ・アアルト」にスタッフと泊まりに行った話を書きました。
ブログ|ホテリ・アアルト (17.03/04)
その際に空間について感じたことなどを、「建築知識ビルダーズ」(エクスナレッジ)という雑誌に寄稿させて頂きました。私も渾身の思いで書きました。そして思いが余って、結果的にかなりのボリュームになってしまいました汗。書店でお見かけの際は是非お手に取ってご覧下さい。
>>建築知識ビルダーズ NO.29
ホテリ・アアルトは建築家の益子義弘先生の設計によるホテルです(正確には益子先生を筆頭に、河合氏、大竹氏ら設計チームによる設計)。
この号には益子先生のご協力もあり、既存図面や改修後の詳細図面まで余すところなく載せていますので、もしホテルで実際の空間を見てみたいとご滞在の折りには、こちらをお持ちになって隅々までディテール探索をなさると良いと思います。
また計画時の益子先生による書き込み入り図面なども収録して頂きました。私自身、当時の筆の痕跡からどう実作が立ち上がっていったのか読み解く大きなヒントとなりました。設計者の思考を知る手がかりとしても、大変貴重な資料(アーカイブ)になっていると思います。
当初は巻頭数ページ~10ページ程度の企画と聞いていたのですが、終わってみたら実に31ページにもなってしまいました。
木藤編集長と益子アトリエにも足を運び、膨大な図面提供や写真家・雨宮秀也氏による撮影、私の細かいディテール解説など丁寧に拾ってくださった結果として、どんどんページ数が膨らんでゆきました。それをその場で即決してゆく木藤さんの力量と肝の据わり方も大したものです。
実はこの企画、いかにも私がホテリ・アアルトに行った後に寄稿を頼まれたように思われると思うのですが、実は裏話がありまして、私がスタッフとホテリ・アアルトに行く直前、いきなり木藤さんから電話があり、ホテリ・アアルトについて書いて欲しいと頼まれました。
私はホテリ・アアルトに行くことを誰にも言っていなかったので、どうして木藤さんがそれを知っているのだろう?と一瞬混乱したのですが、どうも木藤さんはそれを知らずにたまたま私に依頼したようなのです。それを聞いた木藤さんは電話の向こうでガッツポーズをしたらしいですが笑。そんな嗅覚の持ち主なのです、木藤さんという方は。
巻頭にはこの企画の趣旨として、益子先生の建築を次世代に受け継がれてゆくものとし、それを若手である私にあえて案内役を依頼した旨などを書いて下さいました。それを読み、光栄なことと受け止めつつも、その思いに応えられただろうかと自問しています。
本文を私が書くことについて、益子先生にも事前に快諾を頂きました。私などが筋違いのことを書いて、誤解を招いたらどうしよう?という不安もよぎりましたが、「関本さんが感じたことを書けば良いんだよ」とおっしゃって頂き、少し肩の荷が下りた気がします。
それでも私の思いが強すぎて、ずいぶん肩に力の入った文章になってしまったと反省しています。ま、そんなことも含めて読んで頂けたら嬉しいです。
◇
最後に、以下はホテルにも掛けられている益子先生の「とびら」をモチーフにした絵と、それについての文章です。
これを掲載することについて先生は当初抵抗があったようですが、木藤さんの説得に最後は折れてくださいました。とっても素敵な文章で、これを読んだらみんなこのホテルを設計した益子先生のことが大好きになるのではないかと思います。
ここではぼかしておきますので、どうか本文は実際にお手に取ってご覧下さい。
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