150918・朝日新聞
1.隈研吾x梓設計x大成建設
2.伊東豊雄x日本設計x竹中・清水・大林JV
3.ザハ・ハディドx日建設計x?
仕切り直しとなった新国立競技場の公募に、応募者がほぼ出揃いましたね。
記事の見出しに「新国立公募に大成」とあります。
なんで大成がそんなにフューチャーされるかというと、旧計画でも関わっていたゼネコンのうち、一番作業員や資材などの動員力があるからなんですね。
今回の公募は金額もさることながら、人材や資材の調達力が問われています。つまり大成の動向を、業界は固唾をのんで見守っていたわけです。その山が動いた。
そして梓は、旧計画の設計JVの中では超大手の日建設計・日本設計の影に隠れていましたが、実はすごい実力を持っています。旧設計JVの中では、フィクサー的な動きをしていたとも言われています。
そこにきて隈研吾さんなわけです。
持っていくな-、と正直思いました。隈さんが持っていったというより、大成x梓が獲りに行った、もっと言うと「置きに行った」といったところでしょうか。しかし悔しいかなこの布陣、この中では間違いなく大本命でしょうね。
そして伊東豊雄さん。
今国内では名実共に最強の建築家。なによりイメージがいいです。そしてゼネコンチームに業界の雄、竹中を擁しています。強い、これは強いです。先ほどの裏事情を知らずに居並ぶ名前だけを見たら、大本命はこちらと目されてもおかしくありません。
しかし、まだ何が起こるかわかりませんよ?
そしてザハです。一度は王位につきながらも失脚し、もう立ち上がれないだろうと思わせておきながら、またやってきました。まさに不死鳥。正確に言うと日建設計からの熱いオファーに応えた形のようです。ザハ本人も言っているように、この2年間の蓄積は伊達ではありません。
旧計画では、日本側の盛りだくさんすぎる要望に図体ばかり大きくなってしまいましたが、本来のザハの実力はこんなもんじゃありません。今回大きなプログラムの見直しがありましたので、きっと体脂肪をロッキー並みに絞って、再び鮮烈な案を示してくれることでしょう。
しかし痛いのは、大手ゼネコンに一斉にそっぽを向かれてしまったことです。ゼネコンはシビアです。負けた将には用はないとでも言わんばかり。
私はザハ・日建は竹中と組むだろうと予想していました。ところが竹中は伊東さん側に付いた。義理・打算・裏切り・・。さながらリアル三国志を見ているかのようです。
一体誰が勝つのか、最後まで目が離せません。要するにこれなんですね、旧計画になかったのは。布陣を公開したわけですから、ここからの審査も可能なかぎりガラス張りでやってほしいものです。
いっそ東京ドームでやってくれたら、観戦に行くのになあ!
※追記
その後ザハ・チームが応募を断念したとの報道がありました。結局組む相手(ゼネコン)が見つからなかったということですね。残念なニュースでした。
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