author
sekimoto

category
> メディア
> 仕事



2025年に竣工した三鷹市のRISE(T邸)が、エクスナレッジ刊『はじめてのマイホーム』の巻頭の事例紹介にてご紹介頂きました。

『はじめてのマイホーム 建て方・買い方2026-2027』エクスナレッジ
https://amzn.asia/d/0bCZkWbu

RISE(2025)
https://www.riotadesign.com/works/25_rise/#wttl

「はじめてのマイホーム」シリーズには過去何度かご掲載を頂いておりますが、今回もRISEを取り上げて頂き大変光栄に思います。

この本ははじめて家を建てるという方のために編集された、資金計画からプランニング、家づくりの基本知識までが網羅された一冊ですので、これから家を建てようという方も是非参考にされると良いと思います。


RISEの建て主さんは30代前半の、まだご結婚後間もない若いご夫婦でした。アラウンドアーキテクチャさんと共に土地探しからご一緒し、三鷹にある敷地内に段差のある個性的な敷地に辿り着きました。

そこからは本当にスムーズに設計が進みました。なによりご夫婦仲がとても良く、お互いがお互いの要望や希望を譲り合いながら、基本的には我々の提案をほぼすべて受け入れる形で設計が進んでいきました。

この夫婦の関係が良いというのは、うちの建て主さんほぼ全員に当てはまる共通点ですが、家づくりでは大事な決定が続くのでちょっとした違和感をそのままにしたり、意見が相違したまま進めるとあとで大きな手戻りになったりトラブルになったりします。

Tさんの場合は、ご予算の設定にも無理がなく、最初から最後まで本当に一筆書きのようにできあがった住宅でもありました。こうしたプロセスが、この伸びやかな構成や素直なつくりにすべて表れているような気がします。

もうひとつ。この住宅ができあがるとすぐに奥様のご懐妊が分かり、竣工一年のタイミングで第一子が生まれました。これは実にあるあるで、設計中は子供がいなかったのに、設計中や工事に入ったタイミングでご懐妊、新居ができて早々に子育てがはじまるというご家庭のいかに多いことか!今回の写真にもご家族三人で写って頂きました。

これは家を建てたから子供を生んだのではなく、本能的に子供が生まれることを察してそのタイミングで家づくりをはじめた、というほうが近いのかなと解釈しています。これも家づくりの不思議な魔力のような気がしています。

Tさん、取材のご協力ありがとうございました!


26. 09 / 10

20年目の贈り物

author
sekimoto

category
> 仕事
> 建て主さん



昨日は午後から外出して夕方に事務所に戻ってくると、事務所のテーブルに見慣れない箱が。留守中に対応してくれた妻によると、20年ほど前に手がけた「ひかりハウス」のTさんが不在中ご夫婦でいらして届けてくださったのだという。

え、Tさん!?

ひかりハウスは、なんとこの日(9月9日)がちょうど竣工20年の記念日だったとのことで、この日に私にお二人で贈り物をお持ちくださったそう。もうだめ、これだけで泣きそうです。

ひかりハウス
https://www.riotadesign.com/works/06_hikari/#wttl

ひかりハウスは2006年に竣工した住宅で、私にとっては駆け出しの頃の仕事です。Tさんのお父様がアルミのリサイクル業をやられていたというお話から、外装や中庭のルーバーに大胆にアルミを使用した住宅です。さすがにここまで攻めた住宅はその後はありません笑


箱にはお手紙も添えられていました。

当時小学生だったお子さんたちは皆大きくなって家を離れたこと、お住まいは一部に手を入れた以外は当時のままお住まいであること、週末になると頻繁にご友人が集まり、ご自身の趣味も楽しめる家であること。

すまいの20年の”成人式”にあわせて、私に何か贈りたいとご夫婦で話し、北欧のモビール「ヒンメリ」を習って作ったこと。(なんと材料のライ麦から畑で育てたそう!)

そしてこう結ばれていました。
「このおうちのおかげで、毎日が平穏で、安心で、とても幸せです」

あぁ、、なんて幸せなんだろうと思いました。本当に涙が出そうなくらい嬉しかったです。この仕事を続けてきてほんとうに良かったと思えた瞬間でした。

箱を開封すると、


す、すごい!!!

私もヒンメリを自分で作ったことがあるのでわかりますが、このサイズのヒンメリを作るのにどれだけの時間をかけられたことか。これは1~2日ではないですよ。しかもすごくきれい!まるでプロの作家さんが作った作品のようです。

早速、事務所の天井から下げさせて頂きました。


写真だと伝わらないかもしれませんが、これ本当に大きいんです!

本当に嬉しいです。私の事務所には他では絶対に手に入らないお宝がごろごろ飾ってあるのですが、またもうひとつ宝物が加わりました。


この”お宝ヒンメリ”に混ざって、こんな可愛らしいお人形も。これってE.T.じゃないですか笑 うわ、かわいい~~!!

ってよく考えたら、もしかしてこれも手作りですか?

このことにはお手紙にも触れられていませんでしたが、きっとそうなんじゃないかという思いが確信に変わっていきます。昨日お会いできなかったことが本当に悔やまれます。Tさん、本当にありがとうございました!!


20年も前に家を設計してくれた人を思い出して、夫婦で20年目の記念日に贈り物を届けに来る。そんなことある?今でもにわかに信じられません。それってどんな思いなんだろう、と建て主さんの気持ちに思いを馳せます。

竣工時にお礼のお手紙を頂くことはたまにあります。もちろんそれもとても嬉しいことです。一年後に食事に呼んで頂くこともあります。10年の節目にご訪問することも。

でも20年前に家を設計してくれた人に、ここまでの思いを届けに来て下さる方はそうはいらっしゃらないと思います。我々の仕事はそういう仕事なのだと、あらためて自分の仕事を見つめ直す出来事になりました。背筋が伸びる思いです。

今進めている仕事も、建て主さんにとって20年後の今日の日を幸せな気持ちで迎えられますように。そして私もまた、その日にまだ元気でいられますように!