東洋大学の学生、下田楓夏さんの1週間のオープンデスクが終わりました。いつものように課題を出しての所内エスキースと、現場や他事務所との交流など盛りだくさんの一週間でした。

現場の家具打合せでは、現場用語が飛び交い何を言っているのかチンプンカンプンだったようですが、先週末見学した「高円寺の長屋」もこういうやりとりの末に出来たのだということを知り、建築を作るということがどういうことか少しはわかってもらえたようです。

大学では教わらないリアルな設計の日常が垣間見えて、オープンデスクに来て本当に良かったとのこと。設計もわずかな間にぐっと上手くなりました。最後に私の著書をプレゼント。しっかり勉強して下さいね!お疲れさまでした。




季節外れのオープンデスク生が一週間ほど来ていました。佐藤惇生くん、デザインファームの学生さんです。佐藤くんは去年の3月頃、埼玉大学の学生だった時にうちの事務所に来たことがあったのですが、その後紆余屈折を経て、オープンデスク生としてやってくることになりました。

とてもまじめで礼儀正しい学生でしたが、よりによって私が自分でもパニックになるくらい忙しい週だったこともあり、あまりゆっくりと構ってあげられず少し申し訳なかったです。


こんな感じで、移動する電車の中でもエスキースは続いたのでした、、。ホント、こんな時間しか図面を見てあげられる時がありませんでした。



今回もこの暮れに竣工予定の住宅の敷地で課題を出題して、住宅設計に向き合ってもらいました。この一週間でも3つの現場に連れて行きましたが、どの現場でも目をキラキラさせて眺めていたのが印象的でした。

最後は恒例の所内プレゼン!スタッフからも的確なコメントが飛びました。こういう機会はスタッフの建築力を養う意味でも、良い機会になっている気がします。佐藤くんの案はわずか数日のスタディでしたが、とてもリアリティがあり、学びを的確に形にできる力量を感じました。

短い期間でしたが、見聞きしたり体験したことを是非自身の学びにつなげてもらいたいと思います。どうか良い進路に進まれますように!

この春二人目のオープンデスクは、芝浦工業大学3年生の平井里奈さん。いつものように、現場などにも連れて行きながら、設計課題を出題して向き合って頂きました。

オープンデスクでの設計指導は、私はあえて大学とは異なる教え方をしています。大学では自由な創作を重視し、具体的なクライアントの設定や現実的な条件設定は避ける傾向にありますが、住宅設計という仕事は本来顔の見える相手に対してプレゼンテーション(=プレゼント)を行うものです。

オープンデスクでは空間の創作と同時に、どんな人がどんな風に暮らすのか、どのような提案をしたら喜んでもらえるのかを一生懸命考えてもらいました。今回は平井さんなりにアイデアの詰まった豊かな空間を最後に提案して頂きました。

平井さんは控えめな性格ながら、大学でもフィンランドのアールト大学との共同ワークショップに参加するなど、学びに対するバイタリティの高い学生でした。今後の活躍も楽しみです!また事務所にも遊びに来て下さいね。

この春のオープンデスク、トップバッターは芝浦工大2年生の新村恵太くん。恵太くんは、実は我々が設計した住宅に住んでいます。つまりうちの建て主の息子さん。

彼が高校生の時に建ったその住宅は、彼にとって建築の原体験だったそうです。「建築家の設計した住宅で育った子は、建築家になりがち」あるあるです。彼はその後大学の建築学科へと進み、晴れてうちのオープンデスクへとやってきました。

オープンデスク中は現場に取材にと連れ回しましたが、どれも彼にとっては刺激に満ちた時間だったようです。毎日の設計エスキスで教えたことは、おそらく彼の住む家の設計において、我々が何を考えたかを知るヒントになったに違いありません。

恒例、最後のスタッフによる講評会も和気あいあいとして良い時間でした。最後はなかなか良い案になりました。恵太くん、一週間お疲れ様でした!

夏休み二人目のオープンデスクは、芝浦工大3年の中島桃さん。

行ったことはないけれど、北欧にすごく興味があるということで、「北欧、オープンデスク」のキーワードで検索したらリオタデザインがヒットしたのだとか。そんな検索でヒットすること自体がびっくりですが、こんな子もはじめて。

いつものように設計課題に向き合ってもらう一方で、ちょっとした建築見学も。夏休みはどこにも行けなかったそうなのでかなり嬉しかったようです。元オープンデスクの学生も合流して、束の間の楽しいひとときでした。

これはオープンデスクに思うことですが、学生に実務を教えることには意味はないと思いますが、実務の現場にしかない建築の真実というものはあるような気がします。この学生さんも、大学ではけして言われることのなかったことばかりを指摘されてずいぶん戸惑っていましたが、最後は生活感の見えるプランを描き上げてくれました。

建築を考える上で一番大切なことは、ハートで考えることです。それは本には書かれてはいないのです。ルールに従うのではなく、自分の気持ちに正直に従うことが、正しい決断と自身の幸せにつながる。私はそれをフィンランドで学んだのですが、たぶん最後に話したそんなことが彼女には一番深く響いたような気がします。