14. 05 / 07

MUJI

author
sekimoto

category
> 生活



タモの無垢椅子10,000円.
ナラの無垢テーブル(1400x800)49,000円.

無印良品(MUJI)のクオリティがすごいことになっている.
これ,我々がデザインして製作したら,シンプルな作りでも確実にこの3~4倍はすると思う.よく製作でお願いしますと頼まれることがあるのだけれど,お店で買った方がいいですよと話すのはこのためだ.それにしても,これは安いと思う.

安いだけでなく,MUJIはデザインが良い.凡庸さからは一歩踏み出しつつも,奇抜さの一歩手前で止めている.あの抑制の効かせ方が,万人に受け入れられる絶妙なラインなのだと思う.

新しいMUJIの店舗などに行くと,店舗の見せ方や斬新なサービスの数々にも驚かされる.なかなかのセンスだし,よほど優秀なディレクターがいるのだと思う.

MUJIはアノニマス(匿名)であることをコンセプトにしているから,デザイナーの名前は表に出さない.結構なプロダクトを深澤直人さんなど超一流のデザイナーが手がけているにもかかわらず,それをクレジットしない.もっともそれをクレジットしてしまったら,それはもうMUJIではなくなるわけだけれど.

私が北欧フィンランドに惹かれたのは,あの国には良品しかないというボトムの高さだった.MUJIとの違いで言えば,あの国はデザイナーの名前を商品にクレジットしているということ.けれども日本と違って,それが過当な付加価値(ブランド)になりすぎず,庶民が日常で使える手頃さをキープしているというところが素晴らしいと思ったのだ.

消費者が無意識に良品を選び,結果として生活が豊かになる.
北欧で感じていたそんな感覚を,先日MUJIのお店を見ながらふと思い出した.
日本にはMUJIがある.