今日は午後,友人の建築家に誘われていた住宅の見学会にお邪魔させて頂いた.
友人とはご主人の佐藤哲也さんと,佐藤・布施建築事務所という事務所を主宰している布施木綿子さん.大学同期の友人でもある.

布施さんとは大学からだから,もうかれこれウン十年の付き合いとなる.彼女は僕の学生時代からのあれこれを全て知る,数少ない親友のひとりであり,切磋琢磨しあえる,これまた数少ない良きライバルのひとりでもある.

志同じくしてそれぞれアトリエに就職し,同じような時期に退職した後は,私はフィンランドに,彼女たちはまだ見ぬ建築を求めて世界旅行へと旅立っていった.これまた同じような時期に帰国して独立,現在に至っている.

佐藤さん+布施さんの作り出す建築は繊細で,外部との関係の結び方が実に巧みで大胆だ.そしていつの頃からかはわからないけど,その空間の持つ空気感は”和”の趣を強く感じさせるようになってきた.素材の扱い方や枠まわりの処理なども作品を重ねるごとに巧みになっていて,その空間の質を高めるというベクトルに傾けられた労力や時間を思うと,敬意を払わずにはいられなかった.

僕も独立して10年が経ち,自分なりに模索してきた建築の方法論や価値軸が,少しずつ定まりつつあるのを感じるのと同じように,今回の見学した住宅からも布施さん達のすでに盤石となりつつある創作の礎のようなものを強く感じた.そしてそれは,僕が歩んできた道とはずいぶん違った道のりだったのだなあ,ということもまたしみじみと感じたのだった.

布施さん,これからもお互いに切磋琢磨しあえる関係でありたいですね.お手柔らかにお願いします.次はこちらのお披露目にも遊びに来てくださいね!