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sekimoto

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現場の進む普光明寺寺務棟において、屋根を担当する板金職人の新井勇司さんより「屋根は一枚でも葺けるけど、どうする?」との問いかけ。一枚で葺くという意味は、長さ15mもある横葺き屋根を、横方向継目なしでできるけどどうする?の意味。

どうするって、やらないという選択肢はないでしょ!
ということで、もちろん迷わずゴーサイン。

通常、横葺きなどの板金仕上げの場合は、長尺方向はL=1800~3600程度のピッチでジョイントが入る。それは板金を運んだり作業する際の現実的な長さでもあるわけだけれど、それは原則工場で折られた規格サイズの板金をメーカーから納品してもらう場合の話。


でもそもそもガルバリウム鋼板は、何十メートルもの長尺ロールになっているわけで、それをどこで鋏を入れるかは板金屋のさじ加減であるはず。新井さんは自ら成型機を持つ、数少ない職人のひとりだ。だからなんでもできる。そしてジョイントが少なければ、そのぶん雨漏りのリスクを減らせるともいえる。

この日は現場に成型機を持ち込んで、その場で成型し、ところてんのような長尺横葺き材をその場で作り出してゆく。現場に成型機まで持ち込む板金屋は、私が知る限り新井さんだけだ。昨年ビックサイトで一緒に登壇した建築知識実務セミナーでも紹介した新井さんの必殺技でもある。


新井さんは「関本さんはいつも無茶言うんだよな~」と言いながら少し嬉しそう。いや無茶を言い出したのあなただから!でもさすがに15mを一枚で葺いたのははじめてだとか。

良い職人は言われたからやるのではなく、やれるからやるのだ。私の現場はいつも超一流の職人さんに支えられている。それがとても嬉しい。