息子の学校が休みだというので、今日は平日でしたが、家族でピカソを見に群馬県立館林美術館に足を延ばしました。館林美術館ははじめてでしたが、第一工房の設計による建築も素晴らしかったです!もう少し暖かい季節にまた来たいですね。
群馬県立館林美術館
ピカソ展|ゲルニカ(タピストリ)をめぐって
http://www.gmat.pref.gunma.jp/
※12月8日(日)までです
ピカソについては今さら説明はいらないでしょう。おそらくは世界で一番有名な芸術家。あのデッサンが狂ったような、シュールな画風がピカソの代名詞と思われているかもしれませんが、一方では写実的な絵から版画から油絵まで、平面絵画ではあらゆる分野で非凡な才能を発揮しました。
今日あらためて眺めて思ったのは、ピカソはつくづく物事の本質を見抜いて、それを一枚のカンバスに封じ込めることのできる天才だったのだなということ。
なんでもそうですが、物事は具体的に説明した方がわかりやすいものになります。たとえば目の前にリンゴがあれば、それを正確に模写したり、あるいは写真に撮ることで誤解なくありのままの事実を伝える事ができます。これはいわば報道のありかたに近いものです。
ところが、物事には常に異なる複数の側面があります。真面目な人物だと思っていたら、陰で不正を働いていたなんて話はよく聞きますね。誰かを悪者だと見なしたとしても、相手から見たらこちらこそが悪者であるかもしれません。先のリンゴも、描かれていない反対側には誰かがかじった歯形があったなんてことも。
つまりわかりやすいということは、両刃の剣で、物事の一面にしか光を当てないことにもなりかねないのです。政治的プロパガンダもまた然りです。
ピカソの描くキュビズムといわれる立体がねじれたような画風は、そんな物事が持つ多面性を同時に描いているように思えてなりません。展示にあった巨大なゲルニカ(本展ではタペストリによる展示)にもまた、戦争というものが持つ恐ろしさや多面性が表現されているようにも感じました。
ただ実は、個人的に一番感動したのはゲルニカでもキュビズムでもなく、展示後半に飾られた闘牛と闘牛士との闘いを描いた挿絵のシリーズでした。
黒の絵の具だけを使って、下描きもなく即興的に筆で描かれたような絵なのですが、偶然のようにも思えるちょっとした筆のはみ出しや、滲みのようなものも含めてすべてに無駄が一つもなく、むしろ写実絵画のように正確にその情景を描ききっているのです。天才というか、ほぼ神…。ため息しか出ませんでした。
今日はそのあとトンボ帰りして、午後の現場打合せにはぎりぎり間に合いました。長い一日でした。
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