18. 05 / 03

自由な建築

author
sekimoto

category
> 建築・デザイン



さてGWも後半戦。今日は朝方は大雨でしたが、幸い止んで晴れ間も覗きましたね。今日は以前より行きたかったいくつかの場所に足を延ばしました。

ひとつは深谷にある「黒んぼ食堂」。見ての通りの合板がそのままむき出しになったような外観をしています。そのままではもちろん持ちませんので、表面にFRPのような皮膜をしてあるようでした。

内部も同様に合板がむきだし。


ちょっとこの写真だけ見ると、ぎょっとしてしまうかもしれませんが、とっても良い空間なんです。設計は宮晶子さんという女性の建築家さん。

リオタデザインに設計を頼まれる方は比較的端正な内装を好まれますので、こういう合板むき出し仕上げというのは私もなかなか提案しにくいのですが、実のところ個人的にはとても好きな仕上げの一つです。こんなにラフで良いのかな?と自分でやるときはドキドキしてしまいそうですが笑

しかしこういうものは、ただラフに仕上げたように見せかけて、実はものすごく計算されて作られているものなのです。工務店さんから言わせれば、よっぽど壁紙でも貼ってくれた方が助かるというくらいに。

それが建築家の仕事なのか、ただの日曜大工仕事なのかの違いであり、その差は天と地ほどもあります。

計算され尽くした建築でした。敷地内には同じ設計者による住宅も建っていました。こちらも(外観だけですが)とても良い感じでした。食事もとっても美味しいので、休日に是非足を運ばれてみて下さい。




そこからさらに足を延ばして、太田市美術館・図書館へ。

この建築は平田晃久さんという建築家の設計で、ちょうど一年前にオープンしました。建築界では大きな話題となり、すでに数多くの賞を受賞されています。こちらも一度足を運ばなくてはと思っていた建築の一つでした。


なかなか写真ではこの空間をお伝えするのは難しいです。とっても楽しい空間でした。

これも先の合板の食堂と同様、もしかしたら一般の方の中には「なんじゃこりゃ!」ということで、拒否反応を示される方もいるかもしれません。私は建築側の人間ですので、こういう空間は大好きです。理屈を離れて楽しい!と思ってしまいます。


ぐるぐると回遊しながら、1階を歩いていると思ったらいつの間にか2階にいたり、かと思ったら外に出てしまったり。そして外から3階に上がったり、1階まで下りてしまったり。

ていうか、階って何?そんなこと、いちいち定義すること自体がおかしくない?


そうやって、回遊しながらお目当ての本を探したり、お気に入りの場所で本を読んだりできるんです。私なんかは、あぁいいなって思います。

どこに本があるか分からないじゃないかって?使いにくいって?
ご安心下さい。普通の図書館なら世の中にヤマほどありますので、ご不満な方はどうぞそちらに。

私は建築って、少数を幸せにするものなんじゃないかって思うんですよね。少なくとも全国民を、世界を救うものではない。ありきたりのものにハマれない、社会からちょっとだけはみだした個性を救ってくれるような、そんな受け皿なんじゃないかって思うんです。

だから変わってていい。みんな違って、みんないい。
それが建築なんです。私は自由を感じる建築が大好きです。

良い休日を過ごしました。