17. 09 / 16

ロケット花火

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sekimoto

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> 社会


昔小学生の頃、友達と近所の川によく釣りに行った。

前日の晩は興奮で眠れず、明日はきっとすごく釣れるんじゃないかと期待していたにもかかわらず、翌朝川に着いて釣りをはじめると、ほんの数時間でその期待は見事に裏切られる。

それがほぼ毎回のことだったはずなのに、懲りずに僕らは毎週のように川に通った。それはとりもなおさず、みんなと釣りそっちのけで川で遊ぶのが楽しかったからだ。

盛りあがったのは花火だった。中でもロケット花火を対岸に向かって発射するという遊びが流行った。川幅は大きかったが、発射角度を調整すれば十分に対岸に届かせることができた。僕らはロケット砲による仮想敵への攻撃に夢中になった。

対岸にも釣りをしている人がちらほら居たけれど、子供の好奇心と楽しさの誘惑には勝てなかった。僕らなりにちゃんと人に当たらぬよう気をつけていたけれど、黙っていた対岸のおじさんも、最後には堪忍ならんという感じで「コラッ!!」と怒り始める。

ところが対岸の火事とはこのことだろう。川幅もあって、向こうがこっちに攻めて来れないことをわかっているから、僕らはますます調子に乗った。今考えるとすごく危険で非常識きわまりない遊びだったと思う。

そんな昔の若気の至りについて最近思う。
なんのことを書いているかは、お察し下さい。