「路地の家」が間もなく竣工します。三層吹き抜けの本棚はこの住宅の特徴の一つですが、この住宅で最も重要なのは、タイトルが示すように住宅と路地との関係です。

「住宅を街に向かって開く」などというのは建築家の机上の空論、市街地においてはもはや幻想に近いことと思われるかもしれませんが、この仕事を続けていると、こうした考えを実現できる機会は巡ってくるものです。

街を住宅の一部に取り込むということはどういうことか、住宅と街との関係を深く考える機会を頂きました。


敷地には2面の道路があり、特に南側はすれ違うのもやっとな細い路地に面しています。路地は建替えの際に道路中心線より2mの敷地後退が求められますが、いびつに後退したその道路空間が、有効に活用されている例を街中で見ることはほとんどありません。

本計画では住宅を路地に向かって大きく開き、向かい側の住宅の道路後退と合わせて、そこに小さな公園のような領域を作り、建主の望まれた街にひらかれた風通しの良い住宅としています。

室内は1階でありながら3.2mの天井高を確保し、装丁家であるクライアントの所有する膨大な量の書籍のために、ロフトにまで達する三層吹き抜けの本棚を設けました。本棚は安全かつ機能的に利用できるよう、可動式の床パネルを含め、様々な工夫を随所に凝らし製作されています。


【路地の家】 O邸オープンハウス(内覧会)

日時:
5月19日(金) 14:00~18:00 ごろまで
5月20日(土) 11:30~17:00 ごろまで

場所:東京都杉並区阿佐谷

(JR中央線『阿佐ヶ谷駅』より徒歩約12分)

☆建築関係者のみならず、一般の方もご見学頂けます。
☆見学の際は近隣の住宅にご配慮下さい。撮影などの際に隣家に立ち入ったり、隣家にカメラを向けたりすることのないようご注意ください。
☆一部高所で危険な部位もございます。小さいお子さんをお連れの方は、お渡しする手袋着用の上どうか手を離さずご見学下さい。建物を傷つける恐れを感じた場合は、ご退場をお願いすることもございますので、どうかご了承下さい。


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