住宅設計者と編集者は似ている。私は作品を生み出しているのではなく、生活者にインタビューをし、それを編集しているに過ぎない。だから住宅のヒアリングは取材みたいなものだといつも思う。
編集者が取材対象がないと誌面が作れないように、私もクライアントがいないと線が一本も引けない。わき上がるアイデアなどない。私は作家ではないのだとつくづく思う。
同様に自作を語るのは苦しい。人の作品を語るときは饒舌だ。いくらでも語れるし、掘り下げられる。同じ壇上に居ても、私の天職は司会者のほう。インタビューも、される方じゃなくてする方が合っている。
次号の建築知識ビルダーズでは、益子先生の設計によるホテリアアルトを掘り下げる。私が案内役となる。今から言葉が溢れて止まらない。さすが編集長の木藤さん、私の使い方をよく分かっておられるようだ。
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