昨日「西荻の家」のオープンハウスを行い、本日お引渡しまで無事終えることができました。昨日ご来場下さった皆様、ありがとうございました。(今回のオープンハウスはブログにはアップせず、ご案内をお送りした方のみの限定公開とさせて頂きました)

またTさん、ご竣工おめでとうございます!
今日午後のお引越は無事済みましたでしょうか?お疲れさまでした。今日は楽しみにしていた新居のお風呂にゆっくり浸かって下さいね。


今回の家はこれまでの家の中で、ある意味最も贅沢な家かもしれません。
壁は漆喰、天井はレッドシダー、床はチーク、極めつけはダイニングテーブルで、長さ3.2mものチークの無垢テーブルを製作しました。

しかし、それらはけして思いつきでも、湯水のように安易にお金を使った結果でもありません。もちろんそれなりに費用がかかったことは確かですが、それら一つずつ、長い長い時間をかけて議論し、積み重ねていった結果なのです。



今回の家づくりには実に2年を費やしました。設計だけでも約1年以上・・。設計打合せの数は過去最多です。というのもクライアントが当時ご近所に住んでいたこともあり、気になることがあると、メールよりも先に事務所に足を運んで下さっていたからです。

それにしても長かった・・。

Tさんとはどんなに話をしても、底なし沼のように終わりがないのです。いつも楽しそうに打合せに向き合って下さり、議論は次第に洗練し、深く本質に行き当たるまで話が尽きることはありませんでした。

またTさんは、設計中私が最もお酒を一緒に呑んだクライアントでもあります。ご主人と二人で、また時には奥さんも交えて三人で、駅前の居酒屋で語り合いました。私がここまでプライベートでお付き合いしたクライアントというのも珍しいです。



現場に入っても、いろんな”事件”がありました。その都度冷や汗をかきながら現場でクライアントと協議したのも、今となっては良い思い出です。

Tさんはけして感情的にならず、熱心に耳を傾け我々の意見を尊重して下さいました。ご主人の純粋さと、奥様の細やかなお気遣いに、私はいつも癒やされていました。


オープンハウス後恒例の打ち上げでは、すべてが終わり、お互い解放された気分からいつも以上に饒舌に、話にもより賑やかな花が咲きました。

きれい事を言うわけではありませんが、私にとって仕事の最大のモチベーションは、クライアントに喜んでもらうことです。この日のクライアントは本当に嬉しそうで、何度も感謝のお言葉を頂いているうちに、私も熱いものがこみ上げてきました。

良い出会いと濃密なプロセスによって、素晴らしい結果を残せたことに我々も満足しています。Tさん、この家ともども、これからも末永いお付き合いをよろしくお願いします!