author
sekimoto

category
> 仕事



新しい計画の敷地に行ってきました.
クライアントよりご連絡があり,地名を聞いた瞬間「ハテ,聞いたことあるゾ」と思い,地図を見た瞬間「あっ!」となりました.私の母校,県立大宮高校がある場所だったからです.

敷地も母校の目と鼻の先.こうなるとおのずとテンションも上がるというものです.母校に錦を飾らなくては!勝手に「凱旋プロジェクト」と名付けることにしました.


氷川参道から左に折れると,校門まで一直線に延びる道があります.当時の通学ルートです.曲がった瞬間「懐かしい!」となるかと思いきや「???」.あまりに変わりすぎていて,私の当時の記憶の断片と何一つ重なるものがありません.

私の知るこの道はもう少し素朴な,古い住宅が建ち並ぶ通りだったような気がします.それが軒並み建て替わり,三階建ての住宅やRC造のマンションが建っているところもありました.すぐ近くにはさいたま新都心の高層ビル群.また通りのあちこちで更地化した土地や,工事中の住宅もありました.急速に代替わりの波が押し寄せているようです.


そんな時間の流れの中で,母校の校舎と校門だけは変わっていませんでした.今でも校門まで高校の入学発表を見に来た日を思い出すことができます.その佇まいは変わっていなくて,私はほっとしましたが,在校生や教職員の方はきっと老朽化に建て替えを望んでいるかもしれません.

校門前には石井商店.いわゆる駄菓子屋さんなのですが,こちらは通称「石デパ」と呼ばれて,お昼時,部活帰りには大宮高生の胃袋を満たしてくれる貴重な存在でした.こちらはモダンなRC造に建て替わっていました.その資本は,大宮校生が日々投下したあのお小遣いであったことだけは確かです.


本来なら不法侵入でしょうが,あけすけに開いている校門に一礼して,少し中にも失礼させて頂きました.目の前には立看板.

「祝全国大会出場・弓道部」
うそでしょ!?あの弱小クラブが?(失礼)

何を隠そう私は弓道部でした.私が県の新人戦で優勝を逃した時にはちょっとした騒ぎになったくらい,賞や上位大会とは無縁ののどかなクラブでした.
いや違うな.私の時も確かに強豪だったかもしれない.もしかしたら私が出たのも全国大会だったかもしれない,とにわかに都合の良い記憶の改変が起こっていますがなにか.

図々しくも,ずんずん敷地の奥に進むとありました.弓道場が.懐かしいなあ!
立派に建て替わっていて感激しました.そうそう,私の時もこんな立派な弓道場でね,とはならない.実にみすぼらしい小屋であったことだけは確かです.

母校に錦を.
凱旋プロジェクトに,今から意欲を燃やしています!