15. 08 / 13

伊礼事務所に

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sekimoto

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> 建築・デザイン



お盆に入り、事務所もしばし夏休み。そんな休みに入る前、タニタハウジングウェアの谷田社長(写真左)と、建築家の伊礼智さん(写真右)の事務所にお邪魔してきました。

伊礼さんは、今や日本一人気のある住宅作家さんと言っても過言ではないかもしれません。和モダンの端正な作風と、美しいプロポーションを持つ機能的で柔らかい室内空間が印象的で、「ディテールの標準化」「普通の家」といった、少し前なら建築家が絶対言っちゃいけなかったキーワード(?)の"タブー"を初めて破った方かもしれません。

でもそれは私も住宅設計を志した時から、ずっと漠然と思っていたことだったので、伊礼さんの作風や言説にはとても共感する部分は大きかったです。そしてそれは時代の空気であったようにも思います。

一方で伊礼さんの方法論は、あまりに歯切れが良くわかりやすいだけに、良くも悪くも多くの亜流を作り出しても来ました。ある人は意識的に、ある人は無意識に。

そして私もその例外ではなく、今では試行錯誤の末に自分のものとなりましたが、そのディテールの幾つかは事務所の初期の礎を作るのに欠かせないものであったことは、隠さずここで告白しておこうと思います。

伊礼さんは私にとっては雲の上のような方ですが、タニタガルバコンテストのトークイベントでご一緒してから意気投合し、今回このような席を谷田社長の計らいで設けてもらいました。

あらためてじっくりお話をお伺いして、住宅に対する考えや仕事に対する考え方など、僭越ながらとても共通点が多かったですし、臨床医的な、あるいは町医者的な建築家のあり方に、私の背中もあらためて押していただけたような気もしています。

その後も事務所のある目白の街を転々と…。熱い話が夜遅くまで繰り広げられたのでした。伊礼さん、谷田さん、どうもありがとうございました!