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sekimoto

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毎年この季節になると学生さんがオープンデスクにやってきます.例年は日大の教え子が多かったのですが,今年は山形からわざわざ熱心な学生が門を叩きにやってきました.

オープンデスクというのは建築業界ならではの呼び方で,いわゆる無給の研修生(インターン)という位置づけです.著名事務所になると,そこで学べるということがステイタスになるためか,常時多くのオープンデスクが出入りし模型製作などを手伝うというのが通例になっています.

ただ,私はこのオープンデスクという制度があまり好きではありません.どうも事務所サイドの体よく安い(無給の)労働力を得るという事情が見え隠れしていて,事務所によっては堂々と「オープンデスク募集」などと出しているところもありますが,要は「タダで働いてくれる都合の良い人募集」というわけで,それってどうなの?って思います.

毎年うちに来るオープンデスクの学生さんには,うちの業務としての模型や図面には一切触らせません.その代わり実在の「設計課題」を出して,私がみっちりエスキースします.ちょっとした建築の夏期講習みたいなものでしょうか.

今年は上記の課題に加えて,現場やクライアントの打合せにも同席させて,そのリアルな設計の現場を体験してもらおうと考えています.現場でどのように建築は作られるのか,その空気や職人さんの汗も含めて感じてもらいたいと思います.

また,我々が住宅を設計する先にはどんなクライアントがいるのか,そこにはどんな会話があり,どんな風にデザインが決まってゆくのか,どれも大学では教えてくれないことばかりです.

今年の学生はこちらに身を寄せる実家があるわけでもなく,山形から自費でやってくると聞いて意気に感じました.すぐにアツくなる私の性分ゆえ,少々スパルタになるかもしれませんがご容赦を.リオタデザイン今年の特別夏期講習,開講です.