14. 06 / 12

akimichi design探訪

author
sekimoto

category
> STAFF



akimichi design はうちに2011年まで在籍したOBスタッフ,柴秋路くんの事務所.話すと長いが訳あって,彼は今私がその昔設計した住宅(CRANE)に住んでいます.ちょうど仕事が一区切りしたこともあり,今日はスタッフを伴って彼の自宅兼アトリエを訪ねてきました.


CRANEはかれこれ9年ほど前に竣工した住宅.外壁の杉ルーバーは,今も一線で活躍されるクリエイターのクライアントTさんと,スイスの建築家ピーター・ズントーのイメージでデザインしたものです.もうだいぶ枯れてきていて,まさに設計当初に描いていたイメージ通りになってきました.


それにしても,当時クライアントTさんのために設計した住宅にうちのOBスタッフが住み,またその駐車場に彼のMiniと私のPandaが仲良く並んで駐車される日が来ようとは.人生は何が起こるか分からないものです.



まずは彼のアトリエ.この住宅はちょうど都合良く,1階にアトリエを設けていました.そこにちょうど彼の事務所が首尾良く納まった形です.なかなか様になっています.快適そうなアトリエですね.エントランスには彼の趣味の自転車が.


そこから2階へ.2階のテラスに繋がるリビングを見た瞬間におぉ!と声がこぼれました.奥さんの趣味だそうですが,素晴らしいセンスですね!空間が引き立っています.ちょっと感動しました.



そして元祖”ムーミン色”.いったい何組のクライアントさんが,「CRANEみたいな水色で」とその色を指定されたことでしょう.これはセブンチェアでおなじみのフリッツハンセン社の家具に「フロスト」という色があり,これが当時とても好きだった私は,これを壁一面に色合わせをして塗ってもらったというものです.

この絶妙な色は,その後何度か再現を試みましたが,これと全く同じ色は未だに作れていません.リオタデザインの住宅を象徴する色のひとつかもしれません.


ロフトに上がると,さりげなくこんなコーナーが.空間を大切に,慈しむように使ってくれていることがわかります.こういう居場所があると,住宅というのはとても幸せな場所になりますよね.ご夫婦で生活を楽しまれている様子が伝わってきます.


先日の”細かくて伝わらない”話ではありませんが,この住宅にもそんなディテールがあちこちに山のように散りばめられています.うちの元スタッフである柴くんは,入居してしばらくはこうしたディテールの一つ一つを発見しては,その裏側の労力,そして気持ち悪くなるくらい張り巡らされた神経にやられ,逆に鬱になったと言っていました(なんじゃそりゃ).

まぁ,元上司の私が常に隣に立っているようなものですから,無理もないでしょう.
お気の毒に・・笑

私も当時の張り詰めていた仕事ぶりや,この住宅にまつわる事件?の数々を思い出し,懐かしいやら冷や汗が出るやら.柴くんとスタッフを囲んで,いろいろ当時の思い出話に花が咲いたのでした.

柴くん,忙しいところご案内ありがとう!
今後とも大切に使って下さいね.