僕なら迷わずDIVE!です.
そうブログに書いた一昨年の暮れから季節は巡り,時間は流れ,このアクロバットな構成を支える構造も二転三転しながら,DIVEはとうとう降臨しました.晴れて上棟です!
困難の道でした.途方もない費用がかかると見込まれたRC+Sの混構造から,構造はオール木造になりました.高基礎の上に載る木造2階建てですから,申請上はいわゆる普通の4号建築物です.この検討には山田構造事務所と膨大な時間を費やしてきました.クライアントもきっと不安で何度も心が折れかかったに違いありません(ご心配おかけしました).
傾斜地の難易度から,候補の工務店から辞退されたなんてこともありました.杭を打つにも一苦労.着工したのは1月.基礎工事だけで3ヶ月はかかったでしょうか(普通は1ヶ月くらいです).基礎も最後の方にはもう何の建築をやってるんだかわからなくなったくらいです.
施工には渡辺建工さんの高い技術力に助けられています.案ずるより産むが易し.いや易くないけど,まぁ悩んでるより手を動かしたもん勝ち.今回の仕事で学んだ教訓です.
現在ははね出し架構の下に仮柱が立っていますが,この後本体に吊り橋のような吊上げ材が入ればこの支柱も落とされます.もちろん何も問題はないのですが,施工業者は往々にしてこの仮柱を外したがらないものです.あんまり信用されていないのかもしれません.
しかし,この眺め.絶景です!
実際にこの眺めを前にすると「迷わずDIVE!」などと,なにを寝ぼけたことを言っていたのかと後悔したくなります.はね出した先端から下を覗くと「地面遠っ」.
このはね出した2階のリビングから崖下までは実に12m.ビルで言うと4~5階くらいの高さです.木造なのにこの高さ…。ちょっと経験のない領域です.
しかもクライアントのご要望で,さらに屋上テラスまであるのです.ひゃ~!高所恐怖症の私はどうやって監理すればよいのでしょうか.(スタッフYくんよろしく)
来週からは足場にシートが掛けられ,この壮観な姿はしばし封印となります.次にシートが外されたときには,中から鳩が出てくることでしょう.
しかしあれですね.リオタデザインらしい抑制されたプロポーション.
大きいのに威圧感がない,美しい架構です(自分で言っていたら世話ないですね).これからどんな表情を見せてくれるのでしょう.現場も楽しみです!
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