13. 10 / 30

思考の森

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sekimoto

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> 建築・デザイン


提出日が近くなると駆け込み寺のように学生がやってくる.昨日で3日連続.
彼ら/彼女たちのプランニングの悩みを聞きながらエスキースをしてあげると,するすると筆が動いてあっというまに形が浮かび上がる.

ひとの悩みというのは皮肉なもので,聞き手からしてみると何を悩んでいるのかわからないくらい単純で,こうすればいいのにと無責任にも簡単に答えに辿り着いてしまう.

ところが自分の悩みとなると話は別.学生に僕も仕事のプランニングでは悩むんだよ,という話をすると信じられないという.そりゃそうだ.建築なんてそんな簡単に解けるもんじゃないよ!他人の問題は簡単だけど,自分の問題になったら一大事.とたんに周りが見えなくなってしまう.

そしていつも新しいプランニングに着手するたびに思う.「今回のが一番難しいかも」
悶々と思考の森に迷い込む.担当スタッフの机の上にはスタディの残骸が積み上がって行く.でもきっと今回もできた時に思うんだろうな.

「今回のが一番きれいに解けたかも」