11. 07 / 25

川のとりこ

author
sekimoto

category
> 子ども
> 思うこと



休日時間ができると,よく子どもを連れて川に行く.釣りをすることもあるけれど,多くは子どもを適当に遊ばせて,僕は岸辺からぼーっとそれを眺めていることが多い.

海のない埼玉県で生まれ育ったこともあるけれど,僕は海よりも川の方が好きだ.
家から近いこともあるけれど,アメリカ大陸まで繋がっているような遠大なスケールの海よりも,手をのばせば届くその安心感と,寄せては返す波のリズムよりは絶えず流れてゆく川のせせらぎが耳に優しく心地よい.

川を眺めていると心が癒される.よく相手を許すことを”水に流す”というけれど,水を眺めているといろんなことに対して大らかな気持ちになれる.子どもと一緒になって川遊びをするのも嫌いじゃないけれど,僕はやはりぼーっと川を眺めているときが一番好きだ.

川に行くと子どもは基本的にほったらかしである.一応視界の先で捉えているけれど,少しばかり危ないことをしていても何も言わない.子どもには一応ライフジャケットを着用させているし,子どもの頃は僕も川で危険な遊びもした.我が子にも,せいぜい死なない程度に怪我をさせて怖い思いをさせてやれればとも思う.

僕の好きな映画に「A River Runs Through It (1992) 」というのがある.
モンタナ州の川が舞台となっていて(主演ブラッドピット),僕はもう5回以上も観ているのだけれど,その圧倒的な映像美には毎回泣ける.美しさに泣ける映画というのは僕はこの映画のほかに知らない.

" I'm hunted by water.(私は川のとりこだ)"というモノローグが胸にぐっと迫る.
そして僕も,川は人生そのもの(through it)だといつも思うのだ.