
「今が一番いい時期ですね」と子供が小さい頃はよく声をかけられた。言っている人には悪気はないのだけれど、よく違和感を感じていた。でも今ではわかる。先日も1歳の子供を持つ友人に同じことを言いそうになった。
子供が大きくなると愛情がなくなるわけではなくて、少しずつお互いが離れていく。子供も自立してゆく。親心にそれを心の何処かで寂しく思っている。それが「一番いい時期」という言葉になるのだろう。
でもこうしてリフトの上で、延々と他愛のないしりとりを続けたり、てっぺんから自分と同じスピードで滑り降りるなんてことは、昔は想像もできなかったわけで。質は違うけれど、今もきっといい時期に違いない。
でももう少ししたら、親ともスキーには行かなくなる。口もきかなくなるかもしれない。まぁそれならそれで、別にどうってことないけど。
