この春4人目のオープンデスクは男子学生。日大理工の2年生。建築学科の学生にもかかわらず、将来は大工になりたいとのこと。それも図面も描ける「建築家大工」になりたいのだとか。それにしても、大工になりたいなら何もうちに来なくてもと思いつつ、期間中は設計課題をやりたいと言うのでお決まりの設計エスキースをやることに。

しかし、一日費やしてもなかなかプランが描けない。それまでデキの良い女子学生が続いていたこともありますが、それは大学で私が向き合ってきた学生の傾向そのものでもあって、頭でっかちにコンセプトをこねくり回しているから手が動かないというパターン。その点、直感力に優れる女子学生は難しいことを考えないでスイスイと筆が走るんですよね。

彼へのエスキースはずいぶん厳しかったと思います。女子には優しく、男には厳しく?けれどもその甲斐あってか、最後はようやくツボを押さえた案ができました。そして最後はお決まりの所内プレゼン。私の総評の前に、二人のスタッフがゲストクリティークとしてコメントします。

このスタッフの優しいこと!ペコパ並みの人を傷つけないコメントが泣かせます。まぁ、厳しいこと言うのは私の役割ではありますが。こういう機会も、スタッフの勉強にもなっているはず。

現場では、大工志望というのが監督さんの興味を引き、いろいろアドバイスをもらったりもしていました。またいつか、プロ同士として仕事ができるといいですね。それまで修行を積んでください。待ってます!