この春三人目のオープンデスクは共立女子大学から。
初日に普段使っているエスキス帳を持参させると、ノート大の小さなスケッチブックを取り出した。だめとは言わないけれど、良いアイデアは良い道具から。ということで、私の愛用するマルマンの新しいCroquis SS2を渡した。

1週間でこれを使い切るようにとハッパをかけると、最後の日にはあとわずか!というところまで迫った。自分で言っておいてなんだけど、私でもなかなかそこまで使わない笑。

オープンデスクの学生たちに課しているのは、いわば建築の千本ノックみたいなこと。彼らは大学では平均して5週間程度でひと課題を仕上げる。最初の1〜2週間はまともな案は期待できず、3〜4週間目くらいから少しは見られる案が出てくる。そして最後はタイムオーバーだ。

我々はそれをやったらアウトである。プロなら3日もあればそれなりの案ができる。しかも細切れの時間を使ってだ。学生でも集中すれば一週間でスケッチブックを一冊使うくらいのスタディはできる。そして想像してみてもらいたい。そのまま4週間も続ければ、どれだけの深いスタディができるか。

エスキースを通じて彼女が選んだキーワードは「まちからのもらいもの」。良いタイトル、そしておおらかな良案だった。彼女には期間中仕事のお手伝いもいくつかお願いしたにもかかわらず、それらを手際良く片付け寸暇を惜しんでスタディに没頭していた姿が印象的だった。真っすぐな性格の良い学生さんだった。

一週間お疲れさまでした!