週末時間ができると息子と二人で映画に出かける。誘うと決まって少し面倒臭そうなリアクションを見せる。そして最後にこう言うのだ。「別にいいよ」
6年生くらいになるともう親と出かけるのは億劫になるのだろう。それでも一緒に出かけると親子二人だけの関係になって、家では話さないことをポツリポツリと話しはじめる。私はこの時間が愛おしい。来年はもう中学生、あとどのくらい私は彼と映画に行けるだろうか。正直私は映画なんてどうでもいいのだ。
特大のポップコーンを買って息子は楽しそうだ。予告編の間も「これ面白そうだね」「これも観たいね」としきりに話しかけてくる。近所の映画館はいつものようにガラガラで貸切のようだ。私は気のない返事を返す。
この日の映画は「トゥモローランド」。終わるなり「いい話だったね!オレちょっと泣いちゃったよ」とてらいもなく話しかけてくる。そうか、そこそんなに感動したか。「すっごく楽しかった!お父さんありがとう」
思えばこの言葉が聞きたくて、映画に連れて行くのかもしれない。「次はこれを観に来よう」という提案に「いいね!」そんなアポイントを交わして映画館を後にする。
あとどのくらい、私は彼と映画に行けるだろうか。
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