Warning: Undefined variable $g_system in /home/riotadesign/riotadesign.com/public_html/wp-content/themes/rd/archive.php on line 23
Warning: Trying to access array offset on null in /home/riotadesign/riotadesign.com/public_html/wp-content/themes/rd/archive.php on line 23
Warning: include(bcat.php): Failed to open stream: No such file or directory in /home/riotadesign/riotadesign.com/public_html/wp-content/themes/rd/archive.php on line 23
Warning: include(): Failed opening 'bcat.php' for inclusion (include_path='.:/opt/php-8.3.21/data/pear') in /home/riotadesign/riotadesign.com/public_html/wp-content/themes/rd/archive.php on line 23
新しいプロジェクトがはじまる時,必ず開くのがこのスケッチブックCROQUIS(SS2).そしてサインペンはuniball.この組み合わせは鉄板で,独立して以来変わることがない.これがなくなったら…ちょっと想像するのが怖いくらいでもある.
どの職種でもそうだと思うけれど,プロなら必ず自分の仕事の流儀を持っていて,この道具でなければ仕事ができないという一品が必ずあると思う.作家なら万年筆,我々なら最も神経をとがらせるエスキースの道具というのはかなり重要なアイテムのひとつだ.
このCROQUISの良いところはその紙質にある.和紙のようにやわらかく,手触りも絶妙,鉛筆やインクのノリも抜群に良い.
私のCROQUISの使い方は,通常見開きの右側を使うところを左側を使う.そこに鉛筆でプランの輪郭をラフにスタディしたらもう一枚めくってその上に重ねてまた描いてゆく.
いわゆるトレペと同じ使い方になるわけだけれど,トレペのように散逸せず,最後まで切り取らずに使えるのが良い.だからエスキースの履歴をそのまま記録としても残しやすい.これは裏表で紙質が変わらないCROQUISならではの使い方だと思う.
鉛筆で重ねていった線を,最後に上書きするのがuniballの役割である.uniballの良いところは顔料インクで耐水性もあり,とにかく濃く,安定した線を描けるところだ.鉛筆のぼんやりした線を最後になぞり,そして消しゴムで下書き線を消すと,そこにくっきりした輪郭を持つ空間が浮かび上がる.
その瞬間,ぼんやりと迷いのあった思考の”もや”のようなものがぱっと晴れる気がする.「できた」とひとりつぶやく瞬間でもある.
なにかにカバーを付けるという行為があまり好きでない.
我々はなにかと色んなものにカバーをつけたがる.ところがモノにカバーをつけた瞬間,モノから確実に損なわれるものがあるような気がしてならない.なぜならデザイナーはそこにカバーがかけられることを想定していないからだ.
モノにカバーをかける,の典型的な例は携帯電話だ.とくにスマートフォンを持ち歩く人のほとんどは,各々のカバーをつけているのではないかと思う.理由は単純で傷つけたくないからだと思うけれど,それは間違った保護のベクトルだといつも思う.傷つく=モノの価値を損なう,だとすると,カバーを付けた時点で傷がつく以上に大きなダメージをモノに与えてしまっているからだ.
きっとデザイナーはその実機サンプルをいくつも作り,ためつすがめつ眺めてはその手触り,機能性と連動したフォルムを納得のいくまで詰めていることと思う.コンマ何ミリという単位にこだわって,いかに薄く,小さく,軽いモデルを作ろうと日々徹夜の日々を送っていることだろう.それがプラスチックの無粋なカバーを付けられた瞬間に台無しである.
僕はiPhoneを使っているのだけれど,同様にiPhoneを使っている人は是非思い切ってそのカバーを外してもらいたい.その裸の状態で使う美しさに是非触れてもらいたいと思う.
ただこのiPhone,薄い割には意外にずしりと重量があって,ポケットから取り出す時に思わず手からすべり落ちそうになるのだ.カバーを付けていないだけに毎回ひやひやする.できればストラップを付けたいのだけれど,iPhoneにはストラップを付けるところがないのである.
きっとこれは製作開発者,あるいはスティーブ・ジョブズ氏の「そんなのいらない」の一言でそうなっているような気もするけれど,美しさと同時に実用性も求めたい自分としてはそこが唯一の不満点でもある.
そこで,ここまで書いてきてなんなのですが,ひとつだけ僕はモノの価値を決定的に損ねるようなことをしてしまいました.天国のジョブズさん,ごめんなさい!

すこし前になるけれど,コンビニのレジに並んでいて,ふと目を向けた陳列棚をつい見とれて眺めてしまった.リカルデントガムのパッケージが一新されたようだった.
すごく良いデザインだと思う.単体だけではなく,陳列された際の全体系を憎いくらいよく計算している.こんど店頭で気づいたらよく眺めてみてもらいたい.このさりげないデザインは各種フレーバーがずらっと並んだ時にはじめてその威力を発揮するのだ.単体で主張するパッケージは多いけれど,陳列された際の全体系をトータルにデザインされているパッケージというのは,この手の嗜好品ではありそうであまりないと思う.
それに以前のパッケージもそうであったように,この手のパッケージは中身の味をいかにストレートに表現するかに力点が置かれることが多い.フルーツであればいかにジューシーなイメージを喚起するか.例えば果汁の滴る輪切りのフルーツ写真を使うというのが定番だと思うけれど,それをフルーツの写真をひとつも使わずにジューシーさを表現するという冒険はなかなかできるものではない.デザインサイドの提案力と,それを許容した企業がすごいと思う.
子供に媚びたようなパッケージがあふれる中で,久しぶりに潔いストレートなパッケージデザインに出会って嬉しくなった.リカルデント,やるじゃん!

昨年末竣工したFILTER/U邸の取材があり,約半年ぶりにお邪魔してきました.
建物に近づいていくと駐車場の前に一枚の立て看板.ん,カフェ?
よく見たら住宅で余った棚板.そこにはお子さんの絵でかわいらしい絵が描かれていました.「パンのおみせ」…ハテ.
聞くとUさんがプロデュースして,ご友人の焼いたパンや食材などを住宅の軒先で売ることにしたのだそう.この日はたまたま取材日と重なってしまったようです.
この住宅,FILTERというコンセプトを設けたのも,まわりの雑然とした風景や街並みへの開き方や閉じ方が重要な意味を持っていたためで,そのくらいこのUさん方のおしゃれで洗練されたライフスタイルは,この地域になじむのか当初不安だったところもありました.
でも結局Uさんはその安全に巡らされた殻の中に閉じこもることなく,フィルターの目に自ら風穴をあけて地域へと飛び出していったようです.住宅の軒先にいきなりオープンした「パンやさん」.ところがこれが近所の方に大変好評で,不定期に開催されるこのお店にどこからともなく人が集まり,あっという間に売り切れてしまうのでした.
何かをはじめるのに期を熟すのを待ってはいられない.体裁は気にせずどんどん前に進むべき!これは僕の人生のモットーでもあり,Uさんともそんな話で盛り上がりました.
お店がなかったらお店はできない?
資格がなかったら独立はできない?
いやそんなことは全然ありません.すべては本人のやる気次第!どんどん体当たりしていくしかないのです.そうすれば自ずと道は開ける.僕もそうやってフィンランドに渡りました.そんなエネルギッシュなUさんに,この日もパワーをもらって帰ったのでした.
あ,僕も買い占めて帰ったパン,とってもおいしかったですよ!!
次回の開催も楽しみです.




