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子供が生まれる前は余裕もなく、生まれてからは周囲に気を遣い、泊まるといえば無難なホテルか安い宿と相場は決まっていました。
衣食住は人にとってなくてはならないものですが、その幅は「寒くなければいい、腹が膨れればいい、雨漏りしなければいい」というところからはじまり、行き着くところは究極の豊かさ(アート)まで様々です。
私もこの歳になり、本当の豊かさとはどういうことか、人をもてなすホスピタリティとはどういうものなのかということについて、考えさせられる機会が多くなってきました。
子供も少し大きくなったので、ただ「泊まれればいい」から、少し高い授業料を払ってゆこうかと思っています。

越後妻有アートトリエンナーレ(大地の芸術祭)に行ってきました。
大地の芸術祭に行くのは、もうこれで3回目なので、もう 6年越しで通っていることになるでしょうか。場所性や環境と一体となったアートのあり方は、より建築に近く、いつも大変刺激を受けます。
「越後」というのは、そもそも「山を越えたもっと向こう」みたいな意味のようで、「妻有(つまり)」というのはさらに「とどのつまり」ということで、本当に”地の果て”というような意味だったそうです。
そのくらい、この山深い豪雪地帯というのは人を寄せつけない地域だったようで、この地を開拓し、棚田を耕作した先人達の苦労は並大抵のことではなかったと想像します。
それが今では、この大地の芸術祭のために全国から人がやってきます。どこに行っても大盛況。昔の人は、こんなこと想像もつかなかったに違いありません。
地図を片手に訪ね歩くというスタイルは、美術鑑賞というより宝探しに近いでしょうか。今年も新作が追加され、何度来ても飽きることはありません。
現場(暁の家)が進む柏市でも昨日は花火大会があり、この日は隣接する我孫子市でも同時開催。花火が”ステレオ放送”で見られるかも?とのことで、クライアントのSさんが「一緒に現場から見ませんか?」とお誘いを下さいました。
数日前に志木市の花火を見た話を書きましたが、さすが柏スケールが違います。現場からは我孫子の花火とちょうど重なり合うように見えたのですが、志木市の花火のフィナーレのような豪華さで、終始圧倒されました!

家から毎年こんな眺めが見られるのかということで、Sさんご家族も大喜び!ダイニング脇に設けるパーゴラのあるデッキテラスが毎年の特等席になりそうです。
家づくりにあたっては、途中不安になったこともあったという奥様も、ここに住むことができて本当に良かった!と終始幸せそうで、こちらもそんな幸せのお裾分けを頂きました。仲の良い、本当に素敵なご家族です。

この家のタイトルにもなっている「暁の家」は、大自然のような敷地の中でも特に東側に大きな抜けを持ち、ここから昇ってくる朝日が一家を照らしますように、という思いが込められています。
この東側には2階にも通称「月見テラス」が設けられ、ふと物思いに耽ることができるのですが、この日はこのテラスから文字通り大きな満月を見ることができました!都内では見ることのできない幻想的な風景でした。
この日も車載温度計では、日中は40度に届こうかという日だったのですが、現場に到着した途端に空気がひんやりしています。ここは周囲を自然に囲まれ、川の上をそよいでくる風が絶えず建物に向かってきており、その風は止むことはありません。外に出ていても汗が出ることがないというのは、この季節でも信じられない体験です。
でもその昔は、夏の暑さもこんな感じだったような気もします。まさに絶滅危惧種のような微気候が、奇跡のようにこの場所には残っているようです。
この家で営まれるであろう生活を想像しながら、ウラヤマシイ!という気持ちと、完成を待ちわびる気持ちが相半ばしております笑。Sさん、昨晩はありがとうございました!



















