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いまどきお中元を持参して来る人というのをはじめて見ました.実直・誠実を絵に描いたような某工務店のN専務.アポなしの営業訪問は基本門前払いのうちの事務所でも,こういう場合は丁重に迎え入れることになります.ずっしりと重いその箱の中身は何かと訊ねれば「ビールです.皆さんでどうぞ」.早速スタッフ全員で分けさせてもらいました.
でもこれ,とても素朴なんですが,考えれば考えるほどただ者ではないと唸らされてしまうのです.
1.流通業者に任せれば良いところを自ら訪問 →この時点で真似できない
2.それなら軽い菓子折りにすれば良いものを,よりによって一番重いものを選択
3.受け取った時の半端ないずっしり感 →相手の思いが重量に換算
4.中身はビール→この季節いくらあってもありがたい!
5.すべて同じものが入っている →平等にスタッフと分けあえる
中身は奇をてらっていないのに,なんでしょう,このいいものを受け取った感.思わず気持ちを持って行かれてしまいました.
この専務,腰が低くて床についちゃうんじゃないかというくらいの人なんですが,やっぱりただ者ではない.会社のHPの紹介には「我が社の中枢コンピューター」と書かれていました.う~んさすが.勉強になります!

ちょうど1年ほど前に,蕨市に「窓の家」という家が竣工しました.
『窓の家』
https://www.riotadesign.com/works/13_mado/#wttl
そのお施主さんより,この1年暮らしてみての感想や,今回の家づくりを振り返っての詳細な”報告書”が届きました.その分量,実にA4で7枚.これまで1年点検等で口頭でいろんな感想を頂くことはありましたが,文書でここまでのものを頂くのは初めてのことです.
正直,こうしたコメントは自分の通信簿を見るようでもありかなりドキドキします.クレームがいっぱい書かれていたらどうしよう!
実際には良いことも悪いことも書かれていました.ただ良いこと9割,悪いこと1割くらいでしょうか.もしかしたら2割あったところを削ってくれたのかもしれませんが,とにかくこの1年生活しての喜びや幸せが綿々と綴られていました.我々だけでなく,施工を担当した工務店さんへの感謝も書かれていました.
こうしたフィードバックは,我々にとっては非常に貴重なものです.設計者は未来を予見し,想定することが仕事なわけですが,想定通りになったかどうかの摺り合わせは,いわば答え合わせのようなものです.試験でこのように自分は解答した!とドヤ顔で語ったとしても,採点者がバツをつけたらそれは不正解だと思うからです.
お施主さんが「終わりに」と綴られていた以下の言葉がとても印象に残りました.あぁ,大正解!細かい設問での減点はありましたが,最後の配点50点の小論文で満点を取ったような気分です.そのように感じて頂けたこと,感じて頂くことが,まさしく我々の仕事の目的そのもののような気がします.
『今回の家作りを通して、大事な収穫を得ることができました。それは家族・友人との結びつき、今風にいうと絆でしょうか。新しい家を媒介して、今まで以上に結びつきが増幅できました。戸田の花火大会で家族が集う、世間話でご近所さんが集う色々なつながりが、新しい家により増幅することができました。単なる空間が、プロの知識と技を駆使して、意味のある空間に変えられること。建築の奥深さを強く認識できました。恐るべし建築!』
~単なる空間が,プロの知識と技を駆使して,意味のある空間に変えられること~
そう,それが「建築」なんです.
我々は建物の規模や難易度に応じて、構造や設備などの外注事務所に専門的な設計を依頼することがある。外注費もばかにならないので、できれば安いところにお願いしたいと思うのはけして悪いことだとは思わない。
けれどもつくづく思う。一流の人たちの仕事はすごい。本当に勉強になる。うちがお願いする人は皆トップクラスの方達ばかりで、設計料も正直あまりお安くない。けれど最後にいつも思うのは、本当にこの人達にお願いして良かったということだ。
先日出てきた見積りでは、建設会社の方も驚愕していた。凝った設計なのに、鉄筋やコンクリート量が通常よりも少なく、コストパフォーマンスが極めて高いということ。いかに無駄を省いて、合理的な設計を極めているかがよくわかる。
構造もただ頑丈に作ればいいというものではない。優秀な構造家は力の流れがわかっている。だから最小限の力でバランスさせる方法をわきまえているのだ。それをいつも目の当たりにしては、プロだなあといつも惚れ惚れする。
なにが言いたいか。そう、我々はプロだということだ。
私は自分がプロだと思える方には喜んで報酬を差し出したい。本物のプロとの仕事は心底刺激的で、幸せに満ちたものになる。そして、自分をプロと認め報酬を払ってくださるクライアントのためにも、私も惚れ惚れするような仕事をしなくてはといつも思う。



